1104.jpg
サーバーダウンを狙う「DDoS攻撃」日本企業の被害あいつぐーーどんな犯罪になる?
2015年11月24日 10時49分

国際的ハッカー集団「アノニマス」によるものと見られるサイバー攻撃が9月以降、日本国内の企業や団体、自治体などにあいついでいる。報道によると、日本経済新聞社グループの複数の運営サイトが11月10日夜から翌11日未明にかけて、大量のデータを送りつけてサーバーをダウンさせる「DDoS攻撃」を受けて閲覧しにくくなったという。

これまでに、毎日新聞や、イルカの追い込み漁が国際的な話題になった和歌山県太地町の町役場、2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会などのホームページもサイバー攻撃を受けている。

「DDoS攻撃」は、どんな犯罪になるのだろうか。福本洋一弁護士に聞いた。

国際的ハッカー集団「アノニマス」によるものと見られるサイバー攻撃が9月以降、日本国内の企業や団体、自治体などにあいついでいる。報道によると、日本経済新聞社グループの複数の運営サイトが11月10日夜から翌11日未明にかけて、大量のデータを送りつけてサーバーをダウンさせる「DDoS攻撃」を受けて閲覧しにくくなったという。

これまでに、毎日新聞や、イルカの追い込み漁が国際的な話題になった和歌山県太地町の町役場、2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会などのホームページもサイバー攻撃を受けている。

「DDoS攻撃」は、どんな犯罪になるのだろうか。福本洋一弁護士に聞いた。

●国際的な取り組みが必要

「DDoS攻撃とは、大量のコンピュータを利用して、一斉に標的とするサーバー等へ接続要求を送信し、サーバーに負荷をかけることで、サービスを低下させたり機能を停止させるという攻撃手法です。

こうした攻撃の主導者は、サーバーを運営する主体の業務を妨害したとして、電子計算機損壊等業務妨害(刑法234条の2)に該当する可能性があります。しかし、日本国外にいる攻撃者に対して日本の刑事罰を適用することは、外国の協力も必要ですから、簡単ではありません」

自分のパソコンがトロイの木馬などの「マルウェア」に感染し、攻撃の主導者に操られて第三者のサイトを攻撃した場合も、同様の罪になるだろうか。

「最近では、マルウェアに感染した大量のコンピュータからなる攻撃プラットフォームも存在します。実は、任意の宛先に対して、有料でDDoS攻撃を請け負う業者も存在して、サイバー攻撃はビジネスとして行われてもいます。

ただ、一般の人が管理するパソコンが知らぬ間にマルウェアに感染し、操られてサイバー攻撃に利用されても、刑事罰が科されることはないと思います。そもそも操られただけで、攻撃を意図してるわけではありません」

有効な対策はないものか。

「国内においても電気通信事業者を中心に、DDoS攻撃を防ぐための活動が行われています。けれど、残念ながら、現状では有効な対処法がありません。サイバー領域はグローバルですから、国内の法的規制が有効に機能しないのが大きな問題です。国際的な取り組みによって、攻撃プラットフォームの撲滅等の抜本的な解決が求められるでしょう」

福本弁護士はこのように話していた。

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る