6452.jpg
JR赤羽駅の「無人ストア」初日はオープン前から行列 新しい買い物体験に期待
2018年10月17日 14時44分

JR赤羽駅(東京都北区)のホームで10月17日、人工知能(AI)を活用した無人ストアの実証実験が始まり、オープン前から20人ほどが列をつくった。実験は2カ月の予定。

入口の端末に、交通系ICカードをかざして入店。出口近くの決済ゾーンに入ると手に取った商品のリストと金額が表示されるという仕組み。

天井と棚に埋め込まれた100台超のカメラが商品の動きを追跡しており、商品に電子タグなどはつけられていない。金額を確認して、店内の端末に再び交通系ICカードをかざして決済する。東京都中央区のベンチャー企業サインポストの技術が活用されている。

JR赤羽駅(東京都北区)のホームで10月17日、人工知能(AI)を活用した無人ストアの実証実験が始まり、オープン前から20人ほどが列をつくった。実験は2カ月の予定。

入口の端末に、交通系ICカードをかざして入店。出口近くの決済ゾーンに入ると手に取った商品のリストと金額が表示されるという仕組み。

天井と棚に埋め込まれた100台超のカメラが商品の動きを追跡しており、商品に電子タグなどはつけられていない。金額を確認して、店内の端末に再び交通系ICカードをかざして決済する。東京都中央区のベンチャー企業サインポストの技術が活用されている。

●開店前、ホームに20人ほどの利用者が集まる

記者も赤羽駅を訪ねてみた。無人ストアがあるのは5、6番線ホーム(湘南新宿ライン)。朝10時のスタート時点で20人ほどが集まっていた。店舗前に並べるのは10人、残りは1階のコンコースに案内され、整理券を手渡された。

記者の後ろにいた、埼玉県の男性ビジネスマンは、「羽田に行くために乗り換えたら、行列が見えたので、面白そうだと思って並びました。中国とかでは聞くけど、日本で無人決済は珍しいですよね」。ホームにできた「謎の行列」が、駅利用者の目をひいたようだ。

●決済、拍子抜けするほどあっさり

15分ほどすると順番が回って来た。端末に交通系ICカードをタッチすると自動ドアが開く。実証実験は、2017年11月に大宮駅でも実施された。当時は1人ずつしか入店できなかったが、今回は最大3人まで可能だ。

店内にはお菓子やパン類、飲み物など、スーパーを展開する「紀ノ国屋」の約140品が並ぶ。記者は北海道バターキャラメルとハリボーのグミを手に取り、決済ゾーンに進んだ。端末の画面には自動で商品名と金額が表示される。

事前に「商品がうまく識別されなかったら画面で修正できる」との案内があったが、あまりにもあっさり支払いができて、拍子抜けしてしまった。大宮駅の実証実験では、カメラが商品をうまく識別できないときがあったそうだが、配置などを工夫し、精度が上がっているという。

ただし、少数ながらトラブルもあったようだ。JR東日本と共同で実証実験を行なっているJR東日本スタートアップの柴田裕社長によると、「一度手にとって、棚に戻した商品がカウントされる不具合がありました。まだ課題はありますが、その分改善に向けて燃えますね」とのこと。

店外では、係員が控えており、購入金額に間違いがないか、利用者に再度確認を促していた。なお、レジ袋は入口と出口にあり、利用者が必要な枚数をとる形式。

●利用者「思いのほか『無人』に抵抗がない」

「日本のサービスの原点は『人対人』。ところが、お客様にお話を聞いていると、関心が高い方が集まっているにしても、思いのほか『無人』に抵抗がない。むしろ、無人がよいという方もいるようです」

柴田社長の声は弾んで聞こえた。「レシートのQRコードからアンケートを実施しています。多くの方に利用いただきたいです」。記者は正午ごろまで現地にいたが、店舗前の列は途切れることがなかった。この新しい買い物体験に興味を示す人の多さを感じた。

小売業界では、人手不足が叫ばれて久しく、無人決済システムの実用化には大きな期待がかかる。

ただし、今回の実証実験では、商品の補充は人力。SUICAなどと直接紐付けしているわけではないので、年齢確認が必要なタバコや酒も置けない。コンビニのような公共料金や税金の支払いになると、また違うシステムが必要になるだろう。自動化への道はまだ始まったばかり。今後のさらなる発展に注目していきたい。

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る