7747.jpg
元教員の乙武洋匡さん「生産性をあげていくことが一番大事」 給特法改善を求めるネット署名に4万筆集まる
2022年07月26日 15時52分

給特法を抜本改善してください——。現役高校教員や大学教授などでつくる有志の会が始めた給特法(公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法)の改廃を求めるネット署名に4万筆以上の賛同が集まっている。会のメンバーが7月26日、都内で署名活動の中間報告をおこなった。

賛同者からは「家族の小学校教員は、朝7時に家を出て夜8〜9時に帰ってきます。休憩時間は全く取れていません。いつも仕事に追われていて健康状態が心配です」「現役教員です。僕らは聖人ではなく、労働者です」など悲痛な声が寄せられている。

現役公立高校教員の西村祐二さんは「残業代が欲しいのではなく、残業を減らすため給特法の抜本的改善を求めていきたい。教育界の諸悪の根源は給特法ではないか」と訴えた。

給特法を抜本改善してください——。現役高校教員や大学教授などでつくる有志の会が始めた給特法(公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法)の改廃を求めるネット署名に4万筆以上の賛同が集まっている。会のメンバーが7月26日、都内で署名活動の中間報告をおこなった。

賛同者からは「家族の小学校教員は、朝7時に家を出て夜8〜9時に帰ってきます。休憩時間は全く取れていません。いつも仕事に追われていて健康状態が心配です」「現役教員です。僕らは聖人ではなく、労働者です」など悲痛な声が寄せられている。

現役公立高校教員の西村祐二さんは「残業代が欲しいのではなく、残業を減らすため給特法の抜本的改善を求めていきたい。教育界の諸悪の根源は給特法ではないか」と訴えた。

●「子どもたちの教育環境の改善でもある」

1972年に施行された「給特法」により、公立学校の教員には時間外勤務手当と休日勤務手当が支払われないことになっている。その代わり、「教職調整額」として、月額給料の4%が一律に支給されている。

時間外勤務を命じることができるのは、(1)生徒の実習、(2)学校行事、(3)職員会議、(4)災害など緊急事態からなる「超勤4項目」に限るとされ、労働基準法37条の時間外労働における割増賃金の規定が適用除外されている。

署名の賛同人で作家の乙武洋匡さんは、2007年から3年間、東京都杉並区で教員をしていた。給特法について「私もそのとき初めてこの法律の存在を知った」と話す。

学校運営のための業務割り振り(校務分掌)では、学校のHP更新を任された。「子どもに教育をしていくプロフェッショナルに課せられる仕事として、遂行される必要がありますか。この辺の生産性をあげていくことが一番大事だと思っている」と指摘する。

当時、ベテラン教員からは「君たちの世代はかわいそうだよね。俺たちは子どもと向き合うのが仕事だったけど、今の教師は書類と向き合うのが仕事だもんね」と言われショックを受けたという。

乙武さんは「給特法の改廃は教師の労働状況の改善に見えますが、子どもたちの教育環境の改善でもある。これが結果的に個性を大事にした人材の育成に繋がり、それが経済政策にもつながっていく」と呼びかけた。

ワーク・ライフバランス社長の小室淑恵さんは「脳に休息を取らせない働き方は、教員だけでなく子どもたちも壊していく。子どもたちを抑圧的な教育環境から一刻も早く救って、給特法を早急に廃止しなければならない」と指摘。「残業代は全て支払うのが当たり前とすることで初めて、学校現場にもコストや評価という当たり前の概念が適応されてくる」と話した。

署名は秋頃に各政党へ提出予定で、教員勤務実態調査の速報値が出たあとに文科省にも提出するという。

●【動画】記者会見の様子

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る