11124.jpg
布川敏和・つちやかおり夫妻が別居――「不倫」した妻に「親権」は認められるか?
2014年05月02日 13時25分

元シブがき隊の俳優・布川敏和さんの妻で、タレントのつちやかおりさんが5月1日、記者会見をおこない、布川さんと別居していることを明らかにした。週刊誌で「不倫」を報じられたつちやさんは、「妻として母として言い訳のできない軽率な行為」とその事実を認めるとともに、「一昨年の冬に末娘と家を出た。大きな覚悟を持って出たつもり」と語り、離婚への意思を示した。

報道によると、布川さんとつちやさんには3人の子どもがいる。上の2人は成人しているが、末娘はまだ中学生だという。もし離婚ということになれば、未成年の子どもの親権が問題となる。法律上は、夫か妻のどちらか一方に親権者を決めなければいけないのだ。

通常は、妻が親権者となることが多いが、妻が不倫をしていた場合はどうなのだろうか。自らの不倫が原因で離婚することになった場合でも、妻は親権を主張できるのか。離婚問題にくわしい佐々木未緒弁護士に聞いた。

元シブがき隊の俳優・布川敏和さんの妻で、タレントのつちやかおりさんが5月1日、記者会見をおこない、布川さんと別居していることを明らかにした。週刊誌で「不倫」を報じられたつちやさんは、「妻として母として言い訳のできない軽率な行為」とその事実を認めるとともに、「一昨年の冬に末娘と家を出た。大きな覚悟を持って出たつもり」と語り、離婚への意思を示した。

報道によると、布川さんとつちやさんには3人の子どもがいる。上の2人は成人しているが、末娘はまだ中学生だという。もし離婚ということになれば、未成年の子どもの親権が問題となる。法律上は、夫か妻のどちらか一方に親権者を決めなければいけないのだ。

通常は、妻が親権者となることが多いが、妻が不倫をしていた場合はどうなのだろうか。自らの不倫が原因で離婚することになった場合でも、妻は親権を主張できるのか。離婚問題にくわしい佐々木未緒弁護士に聞いた。

●子どもにとって、何が一番よいのか

「親権の判断は、『子の福祉』が重視されます。すなわち、子どもにとって、何が一番よいかという点が重要なのです」

このように佐々木弁護士は説明する。

「子どもの立場にたって考えてみると、これまで主に自分の世話をしてくれて、一緒にいる時間が長かった親と一緒にいるほうが安心できる、ということになります。そのため裁判所では、虐待などの問題が特にないかぎり、『現状維持』をさせることが多いのです」

つまり、親権の決定においては、子の福祉の観点から「現状維持」が優先されるということだ。では、どちらか一方が不倫していた場合は、どうなのだろうか。

「結論から言うと、不倫の有無に関係なく、主に子育てをしていた親のほうが、親権者として認められやすいという現状があります」

佐々木弁護士は、こうキッパリ語る。

「たしかに、不倫された夫の側からすれば、『不倫するような妻に子どもを預けておくことなんてできるか!』『不倫されて、そのうえ子どももとられたら、踏んだり蹴ったりじゃないか!』と腹立たしいことでしょう。

しかし、子どもの立場にたってみれば、親が不倫をしているかどうかよりも、いつも十分な愛情を与えて育ててくれているかどうかが重要だといえます。

それまで、ずっと一緒にいた親とは離れたくないと思うでしょう。まったく新しい環境で、暮らさなければならないことは辛いですからね」

どうやら、不倫と親権は「別の問題」ということのようだ。そして、「現状維持」が優先されるということからすれば、離婚するときに子どもと一緒に住んでいるかどうかが重要といえるのだろう。

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る