11322.jpg
古い商店街にたたずむ「小さな店」 つぶれないのはなぜなのか?
2014年05月16日 18時56分

商店街にひっそりとたたずむ客足の少ない店。一見すると、売り上げがほとんどなさそうなのだが、なぜかつぶれない。そんな店が一つや二つ、頭に浮かぶのではないか。

このような小さな商店が、しぶとく生き残っている裏には、外からはわからないような「儲けのカラクリ」がなにかあるのではないか。それはどんな仕掛けなのか。阿比留一裕税理士に聞いた。

商店街にひっそりとたたずむ客足の少ない店。一見すると、売り上げがほとんどなさそうなのだが、なぜかつぶれない。そんな店が一つや二つ、頭に浮かぶのではないか。

このような小さな商店が、しぶとく生き残っている裏には、外からはわからないような「儲けのカラクリ」がなにかあるのではないか。それはどんな仕掛けなのか。阿比留一裕税理士に聞いた。

●客足が少なくても、客単価が高ければ良い

「小さなお店がなぜ生き残っているか? 答えはカンタンです。それは、必要なだけのお金を稼げているからです」

阿比留税理士はこうキッパリと言う。

「儲けのパターンは、大きく2つに分かれます。『お金を稼げている(収入)』か、『必要なだけのお金(支出)』が少ないか、のどちらかです」

では、一番目の「お金を稼げている」パターンというのは、どんなケースがあるのだろうか。

「たとえば、客足は少ないけれど、客単価がものすごく高くて、粗利率も高いお店です。わかりやすい例だと、宝石店が挙げられます。

このほか、お店でお客様に直接販売する以外に通信販売で売上があったり、他のお店に商材を卸す売上がある場合もあります。

また、お店のオーナーが実はそのテナントビルのオーナーで、他のお店からの家賃収入があるという場合も少なくありません」

●「居抜き」で開業資金が少ない店

二番目の「必要なだけのお金」が少ないパターンはどうだろう。

「まず、前の事業者が設置した設備を引き継ぐ『居抜き』という物件で安く開業した場合があります。開業資金が安く抑えられるので借入が無く、返済の負担もほとんどないため、営業が楽になります。

また、子どもがみんな自立しているなどオーナーの生活費必要額が少ないお店、つまり半分、趣味で続けているような店の場合もあるでしょう」

こうした事情は、ただ単に客の出入りや店構えを見ただけでは、わからないだろう。

「そうですね。外からの見た目だけではわからない儲けのカラクリがあるわけです。こういった形で収入と支出のバランスがとれていれば、お店は生き残っていけます」

いったいどんな風に儲けているのかと想像しながら、小さな店舗の多い商店街を散策するのも楽しそうだ。

【取材協力税理士】

阿比留 一裕(あびる・かずひろ)税理士

2002年 大阪大学在学中に公認会計士試験に合格。大手監査法人、銀行での監査・M&A・事業再生業務等を経て、2009年に独立。「美容・飲食特化型の税務サービス」を展開する傍ら、M&A・事業再生業務も行っている。

事務所名   :税理士法人阿比留会計事務所

事務所URL:http://ameblo.jp/abiru-cpa/

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る