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春名風花さん、「告訴状」受理される 警察がすぐに受け取らなかったのはなぜ?
2020年02月08日 11時06分

女優の春名風花さん(19)が、警察に告訴状を「受け取り拒否」されたことを明かし、ネットで波紋を呼んでいる。

ツイッターの投稿で名誉を傷つけられたとして、母親とともに民事裁判を起こしているが、これとは別に刑事裁判に向け、代理人の弁護士を通じて告訴状を提出しようとしていた。

ところが、告訴状の提出先である神奈川県警泉署から、母親に「うちはそういうのやってないから」との電話がかかってきて、受け取りを拒否されたという。

取材に対し、泉署は2月6日付けで次のようにコメントした。

「事実関係については現在確認中ですが、今回の件では、告訴人側に対する保留とした理由の説明が不十分であったと考えられるところであり、このような齟齬を招かぬよう懇切丁寧な対応についてより一層指導・教養の徹底を図っていきます」

なお、告訴状は2月7日に受理されたという。

女優の春名風花さん(19)が、警察に告訴状を「受け取り拒否」されたことを明かし、ネットで波紋を呼んでいる。

ツイッターの投稿で名誉を傷つけられたとして、母親とともに民事裁判を起こしているが、これとは別に刑事裁判に向け、代理人の弁護士を通じて告訴状を提出しようとしていた。

ところが、告訴状の提出先である神奈川県警泉署から、母親に「うちはそういうのやってないから」との電話がかかってきて、受け取りを拒否されたという。

取材に対し、泉署は2月6日付けで次のようにコメントした。

「事実関係については現在確認中ですが、今回の件では、告訴人側に対する保留とした理由の説明が不十分であったと考えられるところであり、このような齟齬を招かぬよう懇切丁寧な対応についてより一層指導・教養の徹底を図っていきます」

なお、告訴状は2月7日に受理されたという。

●告訴にも要件はあるが…

法律は、告訴について受理する義務は定めていないが、国家公安委員会規則の「犯罪捜査規範」では、「警察官は、管轄区域内の事件であるかどうかを問わず、受理しなければならない」(63条)と定めている。

「受理しなければならない」にもかかわらず、なぜ警察は告訴状の受け取りを拒否することがあるのだろうか。

告訴は、犯罪事実を申告し、犯人の処罰を求める意思表示だ。

たとえば、「『明日は雨だよ』と言われたが一滴も雨は降らなかった。嘘をつかれて許せないので、処罰してください」といった訴えでは、犯罪事実がまったく含まれていないので、告訴として受け取ってもらえない。

判例には、「いまだ犯罪事実とはいいがたいような事実の申告があった場合には、これを告訴として取り扱わなければならないものではない」というものもある(東京高裁昭和56年5月20日判決)。

また、「夫に暴力を振るわれたが、処罰は望んでいない」といった犯人の処罰を求める意思表示がない訴えでも、告訴として受け取ってもらえない。

●告訴受理、地域によっては判断基準を示す場合も

警察庁は、告訴の受理に関する判断基準を通達で次のように示している。

「告訴権の有無、告訴期間、犯罪構成要件の充足の有無等の要件を確認するなどした上、受理の可否について判断する。なお、専門的知識を要し告訴・告発の受理の可否の判断が難しいものについては、警察本部等の意見を踏まえて受理の可否を判断する」

形式的な要件のほか、犯罪事実が認められるかどうかを確認し、複雑な事案については本部の意見なども聞いた上で、受理するかどうかを判断しているようだ。

また、都道府県警察によっては、より具体的な基準をホームページで公表しているところもある。たとえば、愛知県警は次のような基準を示している。

(1) 犯人が特定されていなくても、犯罪事実が明示されている限り受理する
(2) 告訴の文言がなくても、実質的に犯人の処罰を求める意思表示が認められれば受理する
(3) 犯罪事実が一部不明瞭な告訴でも、犯罪事実が概括的に特定されており、犯罪の嫌疑が認められれば受理する

●即時受理は難しいとしても…

告訴を受理すると、警察には、すみやかに捜査を行う努力義務(犯罪捜査規範67条)、事件の書類及び証拠物の検察官への送付義務(刑訴法242条)などが生じる。

今後の捜査体制などに関して組織的な判断が必要なため、提出された告訴状をその場ですぐに受理することは難しいという事情もありそうだ。

今回の受け取り拒否について、泉署は次のように回答している。

「郵送された告訴状に関し、告訴の受理要件を具備しているかについて内容を精査するため保留とし、告訴状の写しをとったうえで原本を返送したものであり、要件が整っていることを確認できた場合は速やかに受理する方針です(編注:その後、受理された)」

とはいえ、警察が告訴状の提出先であることは間違いないことであり、「うちはそういうのやってないから」などといった説明が不適切であることは言うまでもない。

春名さん側の代理人・田中一哉弁護士は、「被害者にとって、警察は最後の砦のようなところがある。即時の受理は難しいとしても、被害者の心情を汲み取って、適切な対応をとってほしい」と話している。

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