11593.jpg
「#教師のバトン」に過酷な勤務実態訴える声あいつぐ 萩生田文科相「戸惑いも感じています」
2021年03月31日 11時08分

文部科学省が3月26日に始めた「#教師のバトン」プロジェクトに、教員からの悲痛な声が集まっている。

これは学校現場の取り組みや後輩へのメッセージなどをツイッターなどに投稿し、これから教師を目指す若者にバトンを繋ぐという趣旨で始まったものだが、ツイッターでは学校現場の厳しい勤務実態を訴える投稿が多く寄せられているのだ。

まず、教員の長時間労働の一因となっている部活動については、「4月から初任で経験したことない運動部の主顧問と言われました」、「勤務時間は、8:15〜16:45ですが、毎日の部活動は19:00まで。もちろん給与や残業代はありません」など顧問業務の負担を訴える声が相次いでいる。

さらに、「土日祝ぐらいは休みたい」、「毎日残業は当たり前。なんとか頑張って土日を迎えても部活動で休みなし」、「週末は部活。2連休はなかなかとれないよ!」など土日祝日も部活動で潰れるという人が多数みられた。

日々の休憩時間についても、「全ての休み時間と給食食べながら丸つけしています。休憩時間なんてありません」、「設定されているはずの休憩時間は取れません。給食?お昼休み?全てにおいて『指導』が必要な時間です」など、まともに取れないという声が寄せられている。

一方で、「給料もそこそこ、福利厚生もしっかり、子供の成長に関われる素敵な仕事です」「子どもから沢山の宝物をもらえる素敵な職業」など、教員の仕事の魅力についての投稿もあった。

現場からは早くも厳しい声が集まっているが、萩生田光一文科相は3月30日、記者会見で「投稿いただいた先生方の思いをしっかり受け止めて、働き方改革を前に進めて参りたい」と応じた。

また、「願わくば学校の先生ですから、もう少し品のいい書き方をして欲しいなっていうのは私個人としてはございます」とも話したが、これに対しては、「切実な現場の声を『品が悪い』って酷くないか」「それは教師の品位にふさわしい額の給与を払ってから言うセリフ」などと批判も集まった。

文科省は公式noteで、「現職の教師が行っている、全国の学校現場の日常の創意工夫や広がる改革の波について、教職を目指す学生や社会人の方々に対して十分に発信できていないのではないか」としているが、現場からの投稿内容を見る限り、その波はまだまだ行き渡っていないことが分かる。

未来の教員を増やし「学校の未来に向けてバトンをつなぐ」ためには、「キラキラエピソード」だけではなく、何よりも業務削減などの働き方改革が重要となることが改めて浮き彫りになっている。

文部科学省が3月26日に始めた「#教師のバトン」プロジェクトに、教員からの悲痛な声が集まっている。

これは学校現場の取り組みや後輩へのメッセージなどをツイッターなどに投稿し、これから教師を目指す若者にバトンを繋ぐという趣旨で始まったものだが、ツイッターでは学校現場の厳しい勤務実態を訴える投稿が多く寄せられているのだ。

●部活顧問「給与や残業代はなし」「2連休はなかなかとれない」

まず、教員の長時間労働の一因となっている部活動については、「4月から初任で経験したことない運動部の主顧問と言われました」、「勤務時間は、8:15〜16:45ですが、毎日の部活動は19:00まで。もちろん給与や残業代はありません」など顧問業務の負担を訴える声が相次いでいる。

さらに、「土日祝ぐらいは休みたい」、「毎日残業は当たり前。なんとか頑張って土日を迎えても部活動で休みなし」、「週末は部活。2連休はなかなかとれないよ!」など土日祝日も部活動で潰れるという人が多数みられた。

日々の休憩時間についても、「全ての休み時間と給食食べながら丸つけしています。休憩時間なんてありません」、「設定されているはずの休憩時間は取れません。給食?お昼休み?全てにおいて『指導』が必要な時間です」など、まともに取れないという声が寄せられている。

一方で、「給料もそこそこ、福利厚生もしっかり、子供の成長に関われる素敵な仕事です」「子どもから沢山の宝物をもらえる素敵な職業」など、教員の仕事の魅力についての投稿もあった。

●文科相「品のいい書き方を」に批判集まる

現場からは早くも厳しい声が集まっているが、萩生田光一文科相は3月30日、記者会見で「投稿いただいた先生方の思いをしっかり受け止めて、働き方改革を前に進めて参りたい」と応じた。

「前向きな意見もあるし、明日にも辞めたい、こんな職場に若い学生たちはこない方がいいというネガティブな意見もあって戸惑いも感じていますけど、他方、この機会に働き方を変えて、処遇改善も含めて見直すんだという我々の思いというか、胎動は教育現場のみなさんは感じて頂いているからこそ、こうした発信をしていただけるんだと思います」(萩生田文科相)

また、「願わくば学校の先生ですから、もう少し品のいい書き方をして欲しいなっていうのは私個人としてはございます」とも話したが、これに対しては、「切実な現場の声を『品が悪い』って酷くないか」「それは教師の品位にふさわしい額の給与を払ってから言うセリフ」などと批判も集まった。

文科省は公式noteで、「現職の教師が行っている、全国の学校現場の日常の創意工夫や広がる改革の波について、教職を目指す学生や社会人の方々に対して十分に発信できていないのではないか」としているが、現場からの投稿内容を見る限り、その波はまだまだ行き渡っていないことが分かる。

未来の教員を増やし「学校の未来に向けてバトンをつなぐ」ためには、「キラキラエピソード」だけではなく、何よりも業務削減などの働き方改革が重要となることが改めて浮き彫りになっている。

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る