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台東区の親族殺害事件「安堵した」次女殺人容疑で不起訴の夫「どうして救えなかったのか…本当に無念」
2025年04月01日 16時17分
#エチレングリコール #台東区 #親族4人殺害 #不凍液

東京都台東区で親族4人を殺害したとして夫婦が逮捕された事件で、このうち次女への殺人罪について、夫の細谷健一氏(44)が不起訴処分となったことを受けて、健一氏は4月1日までに弁護人を通じてコメントを発表した。

健一氏は「逮捕されてから1年以上にわたる長く苦しい日々でしたが、ようやく真実が認められたとの思いで安堵しています」などと述べている。

東京都台東区で親族4人を殺害したとして夫婦が逮捕された事件で、このうち次女への殺人罪について、夫の細谷健一氏(44)が不起訴処分となったことを受けて、健一氏は4月1日までに弁護人を通じてコメントを発表した。

健一氏は「逮捕されてから1年以上にわたる長く苦しい日々でしたが、ようやく真実が認められたとの思いで安堵しています」などと述べている。

●親族3人への殺人罪などでも起訴

報道によると、夫婦は2023年3月13日ごろ、次女の細谷美輝(よしき)ちゃん(当時4歳)に不凍液の成分「エチレングリコール」などを摂取させ殺害した疑いで2024年2月に警視庁に逮捕された。

その後、夫婦は健一氏の姉(当時41歳)と父(当時73歳)、母(当時68歳)を殺害して死亡保険金をだまし取ったとして、この3人への殺人罪などでも起訴されている。

次女の美輝ちゃんへの殺人罪について、東京地検は今年3月31日、夫の健一氏を不起訴にした一方、妻は起訴した。

これを受けて、弁護人をつとめる柿原幹子弁護士が、勾留中の健一氏に面会して聞き取った話として、「父親として至らないところはたくさんありましたが、美輝に対する愛情は嘘偽りのないもので、虐待などしたことはありませんでしたし、ましてや殺害になど何も関与していません」などとするコメントを報道機関に出した。

姉ら3人への殺人罪などについては、健一氏は「弁護人の弁護方針によりこれまでは何もお話することができませんでしたが、公判ではすべてをありのままに正直にお話するつもりです」とした。

柿原弁護士は、昨年2月に夫婦が逮捕された際、記者会見を開いて「逮捕されたことは事実だが、まだ裁判も始まっておらず、無罪の推定が働く。フェアな報道をしていただきたい」と話していた。

画像タイトル 父親の代理人を務める柿原幹子弁護士(2024年2月16日、弁護士ドットコムニュース撮影)

●「公判ですべてありのまま正直に話す」

健一氏のコメント全文は以下の通り。

<今、弁護人から美輝の件について不起訴処分となったと聞き、昨年2月14日に逮捕されてから一年以上にわたる長く苦しい日々でしたが、ようやく真実が認められたとの思いで、安堵しています。

私は、父親として至らないところはたくさんありましたが、美輝に対する愛情は嘘偽りのないものでしたし、虐待などしたことはありませんでしたし、ましてや、殺害になど何も関与していません。

そのことが、今ようやく認めてもらえたと感じ、心からほっとしております。

思えば、美輝は母親のことをずっと怖がっており、私にしかなついていませんでした。

いつもパパパパといって、私の足にまとわりつき、パパ大好きと言ってくれていました。

どうして大切な美輝を私は救うことができなかったのか…、本当に無念で無念でなりません。

長期間にわたりオランザピンという薬を投与されていたと聞いていますが、そのようなことに気づくこともなく、ましてや、エチレングリコールという死に至る薬を投与されることになるなど、考えもしませんでした。

本当に愚かな、ダメな父親であったと思います。

美輝の兄も姉も、美輝のことをとても可愛がっていました。

その大切な妹を失い、それが両親の殺害によるものかもしれないと聞かされて、これまでどんな思いで過ごしてきたか……。

今、少なくとも、父親は殺害になど全く関与していなかったことが明らかになり、少しだけでも彼らの気持ちが救われることを願います。

生きていれば、美輝は、この4月から小学生でした。

美輝がランドセルを背負う姿を見たかった…。

本当に本当に無念でなりません。

起訴されている事件については、弁護人の弁護方針により、これまでは何もお話することができませんでしたが、公判では、すべてをありのままに、正直にお話するつもりです。

美輝の件については、たくさんの方が私の無実を信じて、応援してくれていたと聞いています。

本当にありがとうございました。

2025年3月31日夜 細谷健一>

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