1180.jpg
「人類の叡智に対する挑戦だ」 大江健三郎さんと鎌田慧さんが「原発再稼働」を批判
2015年03月10日 20時24分

原発の再稼働に反対する活動を展開しているノーベル賞作家の大江健三郎さんとジャーナリストの鎌田慧さんが3月10日、東京・有楽町の外国特派員協会で記者会見を開いた。福島第一原発の大事故からまもなく4年を迎えるのを前に、大江さんは「日本の政治家には、事故に対する反省や再出発という意思がまったくない」と批判した。

大江さんと鎌田さんは2011年の福島第一原発事故以降、脱原発や再稼働反対の集会や活動を呼びかけてきた。今年5月3日には、横浜市で3万人規模の集会の開催を予定しているという。2人は会見で、来日中のドイツのメルケル首相と日本の安倍首相の「原発」に関する発言を紹介し、日独の首脳のスタンスの違いを指摘した。

原発の再稼働に反対する活動を展開しているノーベル賞作家の大江健三郎さんとジャーナリストの鎌田慧さんが3月10日、東京・有楽町の外国特派員協会で記者会見を開いた。福島第一原発の大事故からまもなく4年を迎えるのを前に、大江さんは「日本の政治家には、事故に対する反省や再出発という意思がまったくない」と批判した。

大江さんと鎌田さんは2011年の福島第一原発事故以降、脱原発や再稼働反対の集会や活動を呼びかけてきた。今年5月3日には、横浜市で3万人規模の集会の開催を予定しているという。2人は会見で、来日中のドイツのメルケル首相と日本の安倍首相の「原発」に関する発言を紹介し、日独の首脳のスタンスの違いを指摘した。

●「日本の政治家は、批判する声に耳をかさない」

メルケル首相はこの会見の前日、東京都内で開かれた講演で「ドイツが脱原発に踏み切ったきっかけは、福島の原発事故だった」「別のエネルギー制度を築くという政治的決断を下した」と「脱原発」について語った。一方の安倍首相は同日、メルケル首相との共同記者会見で、「世界で最も厳しい、原子力規制委員会が決めた基準をクリアしたものについては科学的見地から再稼働していきたい」と述べた。

両者の発言をめぐって、大江さんは「ドイツの政治家と日本の政治家の違いを言い表している」と指摘。「日本の政治家は、大きな原発事故、福島の悲劇がありながら、別の方向に作り変えていく政治的意思を持っていない。事故に対する反省や再出発という意思がまったくない。批判する声にもまったく耳をかさない」と語った。

鎌田さんは「(事故から)明日で4年になるが、収束に向かうというよりも、日本社会の分裂に向かっている」と話した。今なお11万人以上が避難生活を送っている状況を踏まえたうえで、「福島の人の居住権を奪っておいて、原発を再稼働しようとするのは、人類の叡智に対する挑戦であり、卑劣な犯罪だ」と述べた。

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る