11973.jpg
「金持ちが最後にたどり着く遊び」バカラ賭博が「摘発される理由」弁護士が解説
2015年02月17日 10時05分

客に「バカラ賭博」をさせたとして、賭博場の経営者と従業員15人が2月上旬、賭博開帳図利の疑いで福岡県警に逮捕された。また、客3人も賭博をした疑いで、現行犯逮捕された。

報道によると、賭博場の経営者たちは昨年12月から今年1月にかけて、福岡市博多区の雑居ビルで、客にトランプを使ったバカラ賭博をさせ、手数料を受け取った疑いがもたれている。

バカラ賭博が摘発されるケースは、たまにニュースで耳にする。だが、ポーカーのように、誰でも知っているゲームとは言いがたい。バカラ賭博とは、いったいどんなギャンブルなのだろうか。賭博罪にくわしい津田岳宏弁護士に聞いた。

客に「バカラ賭博」をさせたとして、賭博場の経営者と従業員15人が2月上旬、賭博開帳図利の疑いで福岡県警に逮捕された。また、客3人も賭博をした疑いで、現行犯逮捕された。

報道によると、賭博場の経営者たちは昨年12月から今年1月にかけて、福岡市博多区の雑居ビルで、客にトランプを使ったバカラ賭博をさせ、手数料を受け取った疑いがもたれている。

バカラ賭博が摘発されるケースは、たまにニュースで耳にする。だが、ポーカーのように、誰でも知っているゲームとは言いがたい。バカラ賭博とは、いったいどんなギャンブルなのだろうか。賭博罪にくわしい津田岳宏弁護士に聞いた。

●単純であるがゆえにエキサイティング

「バカラ賭博は、トランプを胴元側(バンカー)と客側(プレイヤー)の二手に配って、どちらが勝つかを当てるギャンブルです。点数が9に近いほうが勝ちとなり、その勝つ側を当てれば、客の勝利となります。

要するに、勝つ確率が2分の1。丁半博打と同じで、きわめて単純なゲームです。その単純さゆえに、最もエキサイティングなギャンブルであり、『金持ちが最後にたどり着く遊び』と言われています。

また、世界中の金持ちから愛されており、北朝鮮の最高指導者だった故・金正日氏も愛好していたといわれています」

津田弁護士はこのように説明する。どうやら、ギャンブル好きにはたまらないゲームのようだ。

「ただし、そのエキサイティングさえゆえに、大王製紙元会長の井川意高氏のように、大きな傷を負う人もいます(井川氏がカジノでハマッたのはバカラです)。

『バカラ』という言葉は、イタリア語で『ゼロ』を意味し、転じて『破産』の意味でも使われる言葉です。バカラは、その危険性を十分理解した上で遊ぶべきゲームです」

●「違法カジノ」の大半がバカラ賭博に特化

今回のケースにように、バカラ賭博を開いたら、どんな罪に問われるのだろうか。

「日本には、バカラ賭博を合法とする法律はなく、バカラ賭博を開くと、賭博開帳図利罪で処罰されます。罰則は、3カ月以上5年以下の懲役です」

罰則があるにもかかわらず、バカラ賭博で摘発されるケースは後を絶たない。どんな背景があるのだろうか。

「現在、日本にある『違法カジノ』は、そのほとんどがバカラ賭博に特化しているといわれています。

というのも、バカラ賭博には、勝負が早いという特徴があります。また、倍プッシュ(次の賭け金を2倍にして勝負すること)などが容易で、客がアツくなりやすい。つまり、違法カジノ店にとって、バカラ賭博は売上が上がりやすいのです。

バカラ賭博をおこなう違法カジノは利益を上げやすく、暴力団の資金源になりやすいので、警察は厳しくマークします」

このように説明したうえで、津田弁護士は次のように「違法カジノ」をなくす方法を提案していた。

「個人的には、違法カジノが暴力団の資金源になることを防ぐ観点からも、厳格な規制下で、合法的なカジノを日本につくるべきだと考えています。カジノを合法化したイギリスでは、100以上あった違法カジノがすべて姿を消しました。日本もそうなるべきです」

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る