中居正広さんによる女性トラブルなどの一連の報道をめぐり、フジテレビと親会社のフジ・メディア・ホールディングスは東京都港区の本社で1月27日、会見を開き、フジテレビの港浩一社長らの退陣を明らかにした。
冒頭、フジテレビの嘉納修治会長と港社長は「人権に関する意識の不足」があり、当事者の女性に対し、「十分なケアができなかった」として謝罪した。
港社長らによると、当事者の女性が復帰したいという意思があったため、「心身のケアを第一に、医師の指導、プライバシーを最優先に絶対に情報を漏洩してはいけない」と考え、女性の体調回復を待っていたという。
しかし、「私自身が人権への意識が不足していたことにより、会社全体のガバナンスを機能させることができなかった」と謝罪した。
港社長は、「女性は長い療養期間を要することになり、希望されていた仕事への復帰はかなわなかった」と話した。
●「極めて機密性の高い事案だった」
フジ・メディア・ホールディングスの金光修社長からは、当初、フジテレビがどのようにこの問題に対応していたかについて、事実関係の説明があった。
発端となった中居氏と女性との「トラブル」は、2023年6月に起きたと認識していたという。
女性から社員にトラブルが告げられたが、その内容から「当事者二人の極めてセンシティブな問題と認識」していたという。また、女性からは、「事案を公にせず、他者に知られずに仕事に復帰したいという強い意向があった」ともした。
そのため「女性の意思を尊重し、極めて機密性の高い事案として情報管理を行った。事案の性質から、幹部社員、役員、社長まで報告されたが、社内では数名のみが知る状況だった」という。
フジテレビ側は、女性に対して、電話やチャットなどのやりとりを通じて、体調の確認をおこなっていたが、直接コミュニケーションが難しい期間もあったとする。
●「介入が難しい事案と判断」
一方、問題への介入が遅れてしまった背景として、中居氏と女性の認識が異なっていたことなどを挙げた。
「2023年7月に中居氏側から弊社社員に連絡があり、女性とは異なる認識を持っていることを把握しました。2人だけの場の出来事であり、当事者以外が介入することは難しい事案と判断した」と説明する。
しかし、「人権侵害が行われた可能性がある事案でありながら、中居氏に対して正式に調査が行われませんでした」として、その理由として、「両者で示談が進んでいるという話があり、調査を躊躇した」ことや、女性の状態が安定するまで待つという考えがあったことを明らかにした。