文部科学省と環境省は10月30日、全国的なクマ被害の発生を受け、各教育委員会や学校に対して児童生徒の安全確保を求める事務連絡を発出した。これまでクマの出没が見られなかった地域も含め、学校生活や登下校時の安全対策の検討を要請している。
市街地や集落など人の生活圏でクマの被害が全国各地で発生し、学校や保護者の間で不安が高まっている。従来クマの出没が少なかった地域でも対応が必要となっている状況を踏まえた措置と思われる。
●「通学路の点検や変更、出没時の安全対策や連絡体制を検討」
通知では、環境省作成の「クマ類の出没対応マニュアル」や地方公共団体の取組事例を参考に、「日頃からクマの出没情報に留意し、必要に応じて、通学路の点検や変更、クマの出没時の安全対策や連絡体制など、各地域の実情に応じた対策を検討」するよう求めている。
具体的には、危機管理マニュアルへの記載や、学校・登下校時・日常生活における注意喚起を要請。また、「地方公共団体の鳥獣被害対策にかかわる関係部局や地域の警察署と連携協力を図るなどの検討」も求めた。
通知は都道府県・指定都市教育委員会、私立学校主管部課、国公立大学法人など幅広い教育機関に対して発出され、「全ての学校に一律に周知するのではなく、その周知先を適切にご判断いただく」とし、各地域の実情に応じた効率的な対応を促している。