1283.jpg
キャッシュカードを盗まれた!「暗証番号」が分かりやすいと「自己責任」になるの?
2014年09月02日 15時36分

キャッシュカードの暗証番号を「1173(いい波)」にしているサーファーは、すぐに番号を変えたほうがいいかもしれない。報道によると、車上荒らしの容疑で逮捕され、有罪判決を受けた20代の男性3人が、こうした番号を入力して、盗んだキャッシュカードで現金を引き出していたことがわかったのだ。

3人を逮捕し、裏付け捜査をした千葉県警は8月、この3人が千葉の海岸沿いで海水浴客を狙って車上荒らしを繰り返していたと発表した。3人は「サーファーの暗証番号は語呂合わせで『1173』が多かった」と供述したそうだ。

盗難カードでお金を引き出された場合、銀行の補償があると聞く。しかし、今回のように、カードの持ち主が、予測可能な番号を設定していたら、「自己責任」ということで、補償額が減らされたりするのだろうか。岡田崇弁護士に聞いた。

キャッシュカードの暗証番号を「1173(いい波)」にしているサーファーは、すぐに番号を変えたほうがいいかもしれない。報道によると、車上荒らしの容疑で逮捕され、有罪判決を受けた20代の男性3人が、こうした番号を入力して、盗んだキャッシュカードで現金を引き出していたことがわかったのだ。

3人を逮捕し、裏付け捜査をした千葉県警は8月、この3人が千葉の海岸沿いで海水浴客を狙って車上荒らしを繰り返していたと発表した。3人は「サーファーの暗証番号は語呂合わせで『1173』が多かった」と供述したそうだ。

盗難カードでお金を引き出された場合、銀行の補償があると聞く。しかし、今回のように、カードの持ち主が、予測可能な番号を設定していたら、「自己責任」ということで、補償額が減らされたりするのだろうか。岡田崇弁護士に聞いた。

●預金者に「過失」があったかがポイント

「盗まれたキャッシュカードで、口座からお金を引き出された場合、原則として、銀行に損害を補償してもらうことができると、預金者保護法で決まっています。

ただし、もし『預金者に過失があった』と銀行に証明されれば、補填の額が25%減額されます。

また、『重過失』が証明された場合、全く補填されません」

つまり、預金者に落ち度があれば25%減額、さらに重大な落ち度があれば補償なしということだが、この場合の「過失」と「重過失」は、具体的にはどんなイメージなのだろうか?

「たとえば、『過失』は、キャッシュカードと一緒に携行・保管していたメモに、容易に第三者が認知できるような形で暗証番号が書かれていた場合などが挙げられます。

一方で、『重過失』は、暗証番号をキャッシュカード上に書き記していたような場合ですね」

●ありがちな暗証番号は「過失」なのか?

では「1173」のように、予測されやすい暗証番号を設定したら、過失になるだろうか?

「1173という番号を使うサーファーが多いということですが、それぐらいなら、せいぜい暗証番号の推測がある程度できるというだけです。ありがちな番号設定だからといって、ただちに預金者に過失があったとまではいえません」

では、預金は補償される、ということになる?

「常にそうとも限りません。たとえば、サーフボードを積んだ車のナンバープレートが1173で、さらにキャッシュカードを漫然と車内に放置していて、その暗証番号も1173で・・・といった場合なら、容易に暗証番号を推測できるとして、預金者の過失が認められる可能性も出てくるでしょう」

岡田弁護士はこう指摘していた。こうしたリスクを減らすため、暗証番号は、簡単に推測されないようなものにしておいたほうがよさそうだ。

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る