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硫酸事件で逮捕された男性は「執行猶予中」だった・・・「前回の刑」はどうなる?
2015年04月18日 13時30分

群馬県高崎市で女性があいついで硫酸をかけられた事件で、30代の男性が4月上旬、傷害などの疑いで逮捕された。男性は過去に、自分の体液を入れた缶を女性のバッグに入れたとして、器物損壊の罪で有罪判決を受け、執行猶予中だった。

報道によると、男性は、高崎市内のショッピングセンターで、20代の女性会社員に硫酸をかけ、コートなどに穴をあけたうえ、足に軽傷を負わせた疑いが持たれている。ただ、警察の取り調べに対して、男性は容疑を認めているわけではないという。

男性は昨年12月、自分の体液が入った缶を女性のバッグに入れたとして逮捕・起訴され、今年3月に「懲役1年6カ月・執行猶予3年」の有罪判決を受けていた。執行猶予中に罪を犯した場合、前回の刑はどう扱われるのだろうか。刑事事件にくわしい萩原猛弁護士に聞いた。

群馬県高崎市で女性があいついで硫酸をかけられた事件で、30代の男性が4月上旬、傷害などの疑いで逮捕された。男性は過去に、自分の体液を入れた缶を女性のバッグに入れたとして、器物損壊の罪で有罪判決を受け、執行猶予中だった。

報道によると、男性は、高崎市内のショッピングセンターで、20代の女性会社員に硫酸をかけ、コートなどに穴をあけたうえ、足に軽傷を負わせた疑いが持たれている。ただ、警察の取り調べに対して、男性は容疑を認めているわけではないという。

男性は昨年12月、自分の体液が入った缶を女性のバッグに入れたとして逮捕・起訴され、今年3月に「懲役1年6カ月・執行猶予3年」の有罪判決を受けていた。執行猶予中に罪を犯した場合、前回の刑はどう扱われるのだろうか。刑事事件にくわしい萩原猛弁護士に聞いた。

●執行猶予中に罪を犯したら?

「執行猶予とは、裁判所が『刑の言い渡し』をする際、刑の執行を一定期間延期し、その期間が何事もなく過ぎたときは、言い渡された刑が執行されず、服役しなくてもよい、とする制度です」

萩原弁護士はこう説明する。では、執行猶予中に罪を犯したら、どうなるのだろうか。

「執行猶予の判決が確定したときから猶予期間の満了時までに、禁錮刑以上の罪を犯すなど一定の取消事由が生じると、裁判所の決定によって、執行猶予が取り消されます。そして、前回の判決のときに言い渡された刑が執行されることになります。

たとえば、高崎市の事件で逮捕された男性でいうと、前回の事件の判決は『懲役1年6カ月・執行猶予3年』です。もし、執行猶予が取り消されることになると、『懲役1年6カ月』の刑が執行され、男性はその期間、服役しなければなりません」

現在のところ、男性は今回の事件について犯行を認めているわけではないようだが、もし仮に、男性が起訴され有罪となった場合はどうなるのか。

「今回の判決で言い渡される刑のほかに、前回の『懲役1年6カ月』の刑を合わせて、服役させられる可能性があるでしょう」

●次の判決で執行猶予はつかないのか?

執行猶予中に罪を犯したら、次の判決で執行猶予がつくことはないのだろうか。

「執行猶予中に罪を犯して、懲役刑や禁固刑を言い渡される場合、再び執行猶予をつけることが、絶対ないわけではありませんが、次のような厳しい条件が求められます。

(1)次に言い渡される懲役・禁固の刑期が『1年以下』であること

(2)『特に酌量すべき情状』がある場合であること(刑法25条2項)

これらの要件を満たさないと、再び執行猶予とはならず、さきほど説明したように、実刑判決となるばかりか、前回の執行猶予が取り消され、前回の刑がプラスされて服役させられることになります」

萩原弁護士はこのように述べていた。

(弁護士ドットコムニュース)

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