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女子トイレでライター点火、わざと「火災報知器」作動させる動画拡散、とまらぬ炎上騒動
2023年02月03日 14時38分

トイレでライターをつけて、わざと火災報知器を作動させる「イタズラ」を映した動画が、SNSで拡散されて、文字通り「炎上」騒ぎになっている。

「いきまーす」。拡散されている動画では、高校生くらいの制服を着た女性が、店のトイレでライターを点火させて、わざと火災報知器を作動させているように見える。

女性のはしゃぐ声が聞こえる中で、警報音が鳴り響くシーンは、あまり笑えるものではない。回転寿司チェーンでのイタズラ動画も問題になったばかりだ。

動画がいつ撮影されたものか不明だが、こうした迷惑行為は、場合によっては、刑事・民事の責任を問われる可能性がある。

今回の法的問題について、西口竜司弁護士に聞いた。

トイレでライターをつけて、わざと火災報知器を作動させる「イタズラ」を映した動画が、SNSで拡散されて、文字通り「炎上」騒ぎになっている。

「いきまーす」。拡散されている動画では、高校生くらいの制服を着た女性が、店のトイレでライターを点火させて、わざと火災報知器を作動させているように見える。

女性のはしゃぐ声が聞こえる中で、警報音が鳴り響くシーンは、あまり笑えるものではない。回転寿司チェーンでのイタズラ動画も問題になったばかりだ。

動画がいつ撮影されたものか不明だが、こうした迷惑行為は、場合によっては、刑事・民事の責任を問われる可能性がある。

今回の法的問題について、西口竜司弁護士に聞いた。

●未成年であっても「刑事事件」になる可能性はある

「バズらせるという軽い気持ちで行動に出てしまうことで、店に大きな被害を与えることになりえますし、自分自身にも大きなしっぺ返しが来ます。このようなことは是非やめてもらいたいですね」

西口弁護士はこのように注意喚起したうえで、刑事上の責任について、次のように説明する。

「火災報知機を作動させるためにライターを点火させれば、店の客や従業員は驚きます。その結果、『火災が発生したのではないか』と営業が混乱するとともに、店側が火災の有無の確認や客対応をせざるをえなくなりますので、偽計業務妨害罪(刑法233条後段)にあたる可能性があります。

偽計とは、人を欺いたり、人の無知や錯誤を利用したりすることをいいます。必ずしもお店の売上が下がるなどする必要はありません。

また、ライターの火が燃え移ってしまうようなことがあれば、現住建造物放火罪(刑法108条)にあたってしまう可能性もあります。刑罰として死刑も規定されている非常に重い犯罪です。

未成年であっても、14歳以上であれば、刑事責任能力が認められますので、『事件』になってしまいます。場合によれば、逮捕されて、その後、少年鑑別所に送られる可能性もあります」

●損害賠償請求が認められる可能性も

民事上の責任としては、故意に店の営業を妨害したことになるため、不法行為に基づく損害賠償請求が認められる可能性があると西口弁護士は説明する。いずれにしても、「重大な責任を負うような行為をしたことになる」という。

最近、店内でのイタズラを映した動画の炎上が相次いでいる。先日は、回転寿司チェーンの店舗で、醤油ボトルや湯呑をなめて元の場所に戻すところを映した動画が拡散された。

YouTuberとしても活動する西口弁護士はこのような動画を見るたびに疑問を抱いているといい、最後に次のように語った。

「私もたくさんのSNSを利用しております。ときにはバズってほしいと思うときもありますが、無理をしてまでバズらせる必要はないと考えています。常識の範囲でSNSを楽しみたいですね。先日アップした動画の視聴回数120回でした。めげずに頑張ります」

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