13666.jpg
デマ拡散の違法性…東名死亡事故「容疑者の勤務先」虚偽情報で会社に電話殺到、休業
2017年10月23日 12時22分

6月に東名高速道路で夫婦が死亡した事故をめぐり、10月10日の容疑者逮捕後から、容疑者の親族や勤務先に関するデマがネット上で広まっている。勤務先とされた会社には1日で100件ほどの電話が寄せられ、影響が及んでいるという。

ネット上では、事故を引き起こしたとして逮捕された容疑者の姓や住所、職業から、ツイッターやインターネットの掲示板などで容疑者の親族や勤務先を特定する動きが加速した。朝日新聞によると、「容疑者の勤務先」や「容疑者の父」とデマを流された会社は、電話番号が拡散され、安全を確保するために休業するなどの対応を取ったという。

ツイッターで容疑者の名前を検索してみると、「25歳自分の父親が立ち上げた会社に勤務してる様」といったデマツイートが流れている。こうしたデマを呟いた人や拡散した人は罪に問われないのか。神尾尊礼弁護士に聞いた。

6月に東名高速道路で夫婦が死亡した事故をめぐり、10月10日の容疑者逮捕後から、容疑者の親族や勤務先に関するデマがネット上で広まっている。勤務先とされた会社には1日で100件ほどの電話が寄せられ、影響が及んでいるという。

ネット上では、事故を引き起こしたとして逮捕された容疑者の姓や住所、職業から、ツイッターやインターネットの掲示板などで容疑者の親族や勤務先を特定する動きが加速した。朝日新聞によると、「容疑者の勤務先」や「容疑者の父」とデマを流された会社は、電話番号が拡散され、安全を確保するために休業するなどの対応を取ったという。

ツイッターで容疑者の名前を検索してみると、「25歳自分の父親が立ち上げた会社に勤務してる様」といったデマツイートが流れている。こうしたデマを呟いた人や拡散した人は罪に問われないのか。神尾尊礼弁護士に聞いた。

●電話をかけた人などは罪に問われるおそれもある

こうしたデマを呟いた人は、罪に問われないのか。

「最近フェイクニュースというのが言われるようになりましたが、内容がフェイクであるという一事をもって、ただちに違法になるわけではありません。呟いたデマの内容が、他人の名誉を毀損したり、業務に支障をきたしたりした場合などに、違法になる可能性があります」

今回のケースではどうだろうか。

「ニュースをみる限り、今回巻き込まれてしまった会社には休業等の具体的な損害が発生しているようです。業務妨害になりえますので、電話をかけた人などは罪に問われるおそれも十分にあると思われます」

●親の会社に嫌がらせをするのはお門違い

では発信者ではなく、ツイッターでリツイートして拡散した人や掲示板への転載をした人はどうだろうか。

「まず今回みなさんに考えていただきたいのは、『この情報が仮に真実であったとしても、親の会社に嫌がらせをするのはお門違いである』ということです。真実であろうがなかろうが、許される行為ではありません。

そこで、刑事的な側面からみると、業務妨害に当たりえますし、名誉棄損も(公益を図る目的などがないために)成立しえます。

民事的な側面からみても、損害賠償等の対象になりえます。転載行為について『より広範に情報を社会に広め、社会的評価をより低下させた』として、プロバイダに対する発信者情報の開示を認めた裁判例があります(東京高判平成25年9月6日)。

実際に罪に問われたり訴訟をされたりするかどうかは別にして、リツイートすることは全世界に叫ぶことと同義であり、誰かを傷付けたり法的リスクを伴ったりするおそれが常にあることを肝に銘じておく必要があります」

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る