13878.jpg
「結婚式写真」SNSへの投稿は「婚テロ」? 傷ついた独身女性は慰謝料請求できるか
2015年09月10日 12時00分

フェイスブックなどのSNSに投稿された、幸せそうな結婚式の写真を見て、モヤモヤしたり、イラッとしたりしたことはないだろうか。とりわけ独身女性が襲われるというネガティブな心理に注目した情報ポータル「トレンド総研」は、そのような現象を「婚テロ」と名付けて、被害実態をまとめた調査結果を発表した。

20代から30代の未婚女性500名を対象に調査を実施したところ、「婚テロ」の被害に遭った女性は27%だった。「すごく素敵で羨ましいけど、自分には程遠いからイラっとするし、見たくない」「あまり仲良くない子だと、幸せアピールがちょっとイライラする」といった声が紹介されていた。

この調査結果についてツイッター上では、「隣りの芝生が青いだけ」のように、いちいち気にするほうがおかしいという意見がある一方で、「すごくわかる これと馴れ合いが嫌でFBもインスタもやってない」と理解を示す声もあった。

「婚テロ」被害で傷ついた女性が、投稿をした人に慰謝料を求めた場合、認められる可能性はあるのだろうか。原口未緒弁護士に聞いた。

フェイスブックなどのSNSに投稿された、幸せそうな結婚式の写真を見て、モヤモヤしたり、イラッとしたりしたことはないだろうか。とりわけ独身女性が襲われるというネガティブな心理に注目した情報ポータル「トレンド総研」は、そのような現象を「婚テロ」と名付けて、被害実態をまとめた調査結果を発表した。

20代から30代の未婚女性500名を対象に調査を実施したところ、「婚テロ」の被害に遭った女性は27%だった。「すごく素敵で羨ましいけど、自分には程遠いからイラっとするし、見たくない」「あまり仲良くない子だと、幸せアピールがちょっとイライラする」といった声が紹介されていた。

この調査結果についてツイッター上では、「隣りの芝生が青いだけ」のように、いちいち気にするほうがおかしいという意見がある一方で、「すごくわかる これと馴れ合いが嫌でFBもインスタもやってない」と理解を示す声もあった。

「婚テロ」被害で傷ついた女性が、投稿をした人に慰謝料を求めた場合、認められる可能性はあるのだろうか。原口未緒弁護士に聞いた。

●投稿者は、相手を傷つけようとしているわけではない

「『婚テロ』で傷つく気持ち、よくわかります! 私も、最初の結婚は、30歳手前で、『婚テロ』のせいで結婚してしまったようなものです(笑)。こんなことを言ったら、最初の旦那様に本当に申し訳ないですが・・・」

原口弁護士はこのように述べる。傷ついた女性は、投稿者に慰謝料を求めることができるのだろうか。

「さすがに慰謝料までは認められないでしょうね。

きちんと法的に説明をすると、慰謝料請求が認められるためには、相手に故意または過失がなければなりません。

つまり、自分が結婚式の写真を投稿することによって、『女友達を精神的に傷つけようと意図的に思っていた』か、もしくは、『独身女性が投稿で傷つかないよう配慮する義務があった』ことが必要なんです。

たとえば、タイムラインに流れてくるフェイスブックの投稿は、不特定多数の人が見ることを前提に投稿しているのであって、結婚をしていない女友達に向けて、直接、写真付きのメッセージを送っているわけではありません。

写真を投稿する人に『独身女性を傷つけてやろう』という意図はないでしょう。また、そこまで独身女性に配慮する義務もないと思います。

そのため、投稿者には、故意や過失があったとはいえないので、慰謝料請求は認められないでしょう」

●「結婚式の日だけはシンデレラ」

こうした「婚テロ」について、どうみているだろうか。

「私のように、とても苦労して結婚をされた方や、様々な障害を乗り越えて結婚をされた方、長期間の交際期間を経て結婚をされた方――。ご結婚をされた方たちには、それぞれ、結婚式での幸せいっぱいの表面の裏に、幸せなことだけではない、たくさんの人生模様が隠れていることでしょう。

ですから、そういったことを乗り越えたお祭り騒ぎとして、お世話になった方や結婚式に招待することのできなかった方への報告を兼ねて、結婚式の写真を投稿することは微笑ましいことなのではないでしょうか。

日常にはいろいろ辛いこともあるけれど、『結婚式の日だけはシンデレラ』ということですね」

婚テロに心乱されてしまう女性は、どうしたらいいだろう。

「私自身『婚テロ』に反応し、焦りもあって最初の結婚をしてしまいました。そして、その後も、2回も結婚と離婚を繰り返してしまいました。でも、結局、『相手を変えても同じ、自分の問題なんだ』と考えるようになりました。

だから、婚テロで心乱されている女性の方たちに私から言いたいのは、焦って、私のようになってほしくない、ということです。自分が本当に望んでいること、たとえば『幸せな結婚がしたい』『信頼し合えるパートナーを見つけたい』といったことから目を背けないで、ご自分と向き合ってほしいな、と思います。私もまだまだ向き合っているまっ最中ではありますが・・・」

原口弁護士はこのように述べていた。

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る