14186.jpg
「息子に出すなんて」 女性の胸モチーフの「ケーキ」が物議、性的虐待にあたる?
2025年10月11日 08時24分
#虐待 #おっぱいケーキ

「おっぱいケーキ」と呼ばれる、女性の胸部を模したケーキがネット上で話題になっている。

女性の胸を模した「おっぱいケーキ」を子どもにプレゼントするのは「虐待」にあたるのか。ケーキ屋のショーケースを撮影したとみられる画像が拡散されて話題だ。母親が息子に「おっぱいケーキ」を買ったという過去の投稿も掘り起こされるなどしている。

「おっぱいケーキ」と呼ばれる、女性の胸部を模したケーキがネット上で話題になっている。

女性の胸を模した「おっぱいケーキ」を子どもにプレゼントするのは「虐待」にあたるのか。ケーキ屋のショーケースを撮影したとみられる画像が拡散されて話題だ。母親が息子に「おっぱいケーキ」を買ったという過去の投稿も掘り起こされるなどしている。

●「息子に出すなんて」「一定の需要はある」

関連投稿は1万回以上リポストされて、SNSでは批判の声があがっている。

「息子にこんなの出すなんてガチできっっっしょ、性的虐待だろ」

「母親が子どもの成長を阻害しているように見えるな」

「おっぱいケーキって分かりにくい形でこそこそと売ってる物だと思ってた。まさか堂々とショーケースで販売してる店があるとは。ケーキ屋って子どもも来る場所なのに」

一方で、パティシエ経験者という人からはこんな声も。

「私もパティシエ時代におっぱいケーキを3台ほど作った記憶があるから一定数の需要があるんだなぁと思っている。乳首を作る時が一番気まずい」

検索してみると、「おっぱいプリン」や「おっぱいまんじゅう」など、胸部をモチーフにした菓子は全国各地で販売されていることがわかる。

●親が子どもに「おっぱいケーキ」を贈るのは児童虐待?

議論の中心になっているのは、親が子どもに「おっぱいケーキ」をプレゼントするのは虐待ではないのか、という点だ。法的にはどう整理されるのだろうか。

児童虐待防止法2条は「児童虐待」を次の4つの類型に分けて定義している。

(1)身体的虐待(暴行を加えること)

(2)性的虐待(児童にわいせつ行為をする、またはさせること)

(3)ネグレクト(監護の著しい怠慢)

(4)心理的虐待(暴や拒絶、家庭内暴力による心理的外傷など)

●「おっぱいケーキ」は虐待にはあたらない可能性が高い

このうち問題となりうるとすれば、(2)性的虐待と(4)心理的虐待だ。

まず、性的虐待は「児童にわいせつな行為をすること」など、直接的で具体的な性的行為を指す。単に特定の形をしたケーキを食卓に出しただけで、これに該当するとは考えにくい。

また、心理的虐待は「児童に著しい心理的外傷を与える言動」を指すが、提供の意図や状況、子どもの年齢や反応を考慮しても、一般的には「著しい外傷」や「健全な発達の阻害」とまでは言えないだろう。

したがって、児童虐待防止法上の「虐待」に該当する可能性は低いと考えられる。

●法的に問題なしでも「親の配慮」は不可欠

ただし、法的な虐待にあたらないからといって、親の配慮が不要になるわけではない。

子ども本人が嫌がっているのに無理に出すなど、親の判断や説明が不十分であれば、子どもの自己肯定感や性に対する感覚に悪影響を及ぼす可能性もある。

性にまつわる表現物をどのように扱うかは、家庭や文化によっても差がある。

「おっぱいケーキ」をめぐる騒動は、単なる炎上ではなく、子どもへの配慮や性教育のあり方を考える契機として受け止めるべきだろう。

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る