14411.jpg
「来月出ていけ」ペット不可の賃貸物件、こっそり飼ってる猫が見つかり大家激怒…退去しないといけにゃいの?
2024年04月13日 09時58分

マンションやアパートが「ペット不可」の賃貸物件なのに、こっそり飼っていて「バレてしまった」という人が少なくないようです。

弁護士ドットコムにも、猫を飼っていたのがバレて、怒った大家さんから「来月で出ていけ」と言われたという法律相談が寄せられています。

その後、相談者には解約通告書も送られてきたといいます。猫は施設に預けるそうですが、相談者はこのまま住み続けることができるのでしょうか。金岡紗矢香弁護士に聞きました。

マンションやアパートが「ペット不可」の賃貸物件なのに、こっそり飼っていて「バレてしまった」という人が少なくないようです。

弁護士ドットコムにも、猫を飼っていたのがバレて、怒った大家さんから「来月で出ていけ」と言われたという法律相談が寄せられています。

その後、相談者には解約通告書も送られてきたといいます。猫は施設に預けるそうですが、相談者はこのまま住み続けることができるのでしょうか。金岡紗矢香弁護士に聞きました。

●ペットNGのマンションだけど猫を飼いたい!

——ペット不可の賃貸物件で猫を飼っていたのが明らかになった場合、大家(貸主側)からの退去の求めに応じないといけないのでしょうか

マンションやアパートでペットを飼いたいと思っても、ペットの飼育を不可にしている賃貸物件が大半です。ペット可の部屋を見つけたのに、相場より家賃が高いといった理由で入居を諦めたことがあるという人もいるでしょう。

それでは、ペット不可の部屋でこっそりと猫を飼っていることが大家や管理会社など貸主側にバレたらどうなるのか考えてみましょう。

画像タイトル NG猫(wdw / PIXTA)、賃貸物件(MAKIMAKI / PIXTA)

まず、賃貸物件で猫を飼えるかどうかは、賃貸借契約の内容によって決まります。ペットの飼育が不可なのに猫などを飼っていたら、この契約に違反していることになります。

また、ペットを飼える賃貸物件でも、「小型犬・猫2匹まで」「小鳥・小動物のみ可」など、飼うことができる動物に条件がある場合、その条件に従わないと、やはり契約違反です。

●「ペット飼育禁止の契約違反」でもただちに退去には至らない

——猫を飼っているのが大家(貸主側)にバレて、「ペット不可」の契約に違反したのであれば、やはり退去しなければいけないのでしょうか

結論から申し上げると、ペットの飼育という契約違反をしたからといって、貸主から退去を求められたとしても、必ずしも部屋を退去する必要はありません。退去しなければならないのは、契約違反によって貸主と借主の「信頼関係が破綻」した場合です。

まず、「信頼関係が破綻」とはどのようなものか説明します。

たとえば、貸主が「家賃を1カ月分滞納したら契約を解除する」と賃貸借契約書に記載していたとします。

しかし、支払い忘れなどのうっかりミスでも、1カ月分の滞納だけで退去を拒否できないとなると、賃貸借契約は借主にとって非常に不利なものとなってしまいます。

そのため、1カ月分の滞納で契約を解除すると契約書に記載していても、実際は3カ月分以上の家賃滞納を目安に「信頼関係が破綻」したとして、退去となることが一般的です。

今回の相談では、怒った大家から出ていくように言われ、解約通知書も送られてきたようですが、発覚したあとに猫を施設に預けるのであれば、信頼関係が破綻したとまでは言えない可能性があります。

画像タイトル 飼い猫(YOSHI / PIXTA)

まずは、大家にきちんと謝罪するとともに、猫を施設に預けることや今の部屋では決してペットを飼わないことなどを約束して、このまま住み続けたいと伝えてみましょう。

もちろん、猫を預けないまま飼育を続けた場合や、猫を飼うことで他の住人に大きな迷惑をかけているような場合は、退去しなければならない可能性が高いと思われます。

また、猫が壁やフローリングを傷つけたり、臭いが残ったりすれば、退去時に敷金が返還されないだけでなく、追加の修繕費用を請求される可能性もあるため注意が必要です。

謝っても住み続けることを許してもらえない場合や、退去時に高額な修繕費用を請求されたような場合は、弁護士に相談してもよいでしょう。

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る