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東京五輪マラソン「合意なき決定」により札幌に変更 都知事「権限はIOCにある」
2019年11月01日 13時50分

猛暑対策として札幌への変更が問題となっていた東京五輪のマラソン・競歩が正式に札幌で開催されることになった。都内で開催されていた国際オリンピック委員会(IOC)の調整委員会で決定されたもの。新たに発生する経費は東京都の負担とさせないという。

これを受けて、11月1日にIOC調整委員会のジョン・コーツ委員長、小池百合子都知事、森喜朗大会組織委員会会長、橋本聖子五輪担当相らが出席して協議を行い、決定を承認。最後まで計画通り東京での開催を訴えていた小池都知事は「合意なき決定」と明言し、終始厳しい表情だった。

猛暑対策として札幌への変更が問題となっていた東京五輪のマラソン・競歩が正式に札幌で開催されることになった。都内で開催されていた国際オリンピック委員会(IOC)の調整委員会で決定されたもの。新たに発生する経費は東京都の負担とさせないという。

これを受けて、11月1日にIOC調整委員会のジョン・コーツ委員長、小池百合子都知事、森喜朗大会組織委員会会長、橋本聖子五輪担当相らが出席して協議を行い、決定を承認。最後まで計画通り東京での開催を訴えていた小池都知事は「合意なき決定」と明言し、終始厳しい表情だった。

●これまでの費用も東京都に負担させない

コーツ委員長が発表した調整委員会の決定は次の通り。

1、会場変更の権限はIOCにあること。

2、マラソン・競歩の会場が札幌に変更された際に発生する新たな経費は、東京都に負担させないこと。

3、既に東京都・組織委員会が支出したマラソン・競歩に関連する経費については、精査・検証の上、東京都において別の目的に活用できないものは、東京都に負担させないこと。

4、マラソン・競歩以外の競技について、今後、会場を変更しないこと。

●札幌変更の代わりに、「五輪後にセレブレーションマラソンを」

これに対し、小池都知事は協議で次のようにコメントした。

「IOCからの説明が足りない部分、納得いかない部分がございますが、これらの点は意見が一致しています。三者(IOC、東京都、組織委員会)で確認できたことは重要だと思います。東京でマラソン、競歩を開催できることがベストだという考えは変わっていませんが、大会を成功させる重要性をかんがみて、IOCの決定には同意できないが、権限は有するIOCを妨げることはしない、という考えです。あえていうなら、合意なき決定です」

一方、小池都知事は、IOCのバッハ会長からメールが届き、東京五輪・パラリンピックが開催されたのちに、東京のマラソンコースを活用して「東京オリンピックセレブレーションマラソン」を実施するという提案があったことを明かした。

「IOCから東京都民に対し、誠意ある対応を示す必要があるとバッハ会長にリクエストしてきましたが、真摯なメッセージをちょうだいできました。具体的な企画については、IOCと企画していきたいと思います。

突然の会場変更について、都民や国民のみなさんも驚いたと申し上げましたが、調整委員会で議論を行なっていただき、来年の大会を成功させるためには、東京都とIOC、大会組織員会が信頼しあって、前へ進むことが大事だという思いです。バッハ会長からご提案により、その思いを、かなえる機会をもうけたいです」

●五輪を複数の都市で開催可能に

また、今後の課題として、札幌でのコース確認や警備、輸送、ボランティアの確保などが挙げられるが、この協議では新たに発生する費用負担について明言されなかった。コーツ委員長はこれから札幌市や北海道などと協議していくとした。

今後の五輪運営に大きな課題を残した今回の騒動。小池知事は最後に、暑さ対策について、世界的な温暖化について触れた。

「これまで世界銀行も気候変動に関して、自然災害・温暖化については毎年、予測を前倒しにする内容を発表しています。そのことを考えますと、(夏季五輪の開催の前提条件である)7月、8月の実施は、北半球の都市にとって、過酷な状況にならざるをえない。こうした問題に我々自身が直面しなければならないのではないか。IOCもよく考えていく必要がある」

これに対し、コーツ委員長は「IOC総会において、一つの開催都市で開けないと認識しました。7月、8月開催にするかは別として、今後は複数の開催都市で開いてもらうことが可能になります」と話し、IOC側でも五輪憲章にある「一つの都市開催」という原則を変更していく考えを示した。

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