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「離婚4回」も珍しくない! 日本は離婚がしやすい国だった
2013年05月28日 16時40分

テレビ朝日系で放送されている波瀾万丈の大家族ドキュメンタリー「痛快!ビッグダディ」。4月下旬に放送された回では、ビッグダディこと林下清志さんが、18歳年下の妻・美奈子さんと離婚、子ども4人を連れて岩手県に移住し、接骨院を開業するといった内容が伝えられた。

せっかく再婚したのに約2年で別れてしまった林下さんだが、過去にも結婚相手の女性と3度の結婚と離婚を繰り返したという経緯がある。少なくとも4回は離婚を経験しているようだ。

一般的な感覚からすると少し多い気がするものの、たとえば有名人でいえば、4月に亡くなった俳優の三國連太郎さんも4回の結婚歴があった。そもそも、日本の法律では、結婚と離婚の回数に制限がないのだろうか。島野由夏里弁護士に聞いた。

●キリスト教国では簡単に離婚が認められない

「実は、日本は『とても離婚がしやすい国』なんです」。島野弁護士はこう切り出した。

「婚姻・離婚制度は一般に宗教との結びつきが強く、キリスト教国では簡単には認められない傾向があります。例えばイギリス、フランス、イタリア、オランダ等、ヨーロッパ諸国のほとんどでは、協議離婚の制度はありません。つまり、『裁判所の手続を通さなければ、離婚ができない』のです。

裁判で離婚が認められるための条件も厳しく、例えば『数年以上の別居の後でなければ、離婚の裁判もできない国』や、そもそも離婚制度自体がない国もあります。こういった国々では回数制限はありませんが、離婚手続に長い時間がかかるという意味で、簡単に離婚・再婚を繰り返すのは難しいですね」

――そんなに厳しいと、結婚するときの覚悟も相当なものだろう。

「はい。そのため、ヨーロッパ諸国では、簡単には結婚をしないという傾向があります。私の友人(フランス人)も、彼と一緒に暮らしているうちに子どもを産みました。彼女の話では、フランスでは、第一子出産後、第二子出産前に結婚するカップルが多いそうです。離婚の手続がそこまで大変であれば、結婚自体に二の足を踏む気持ちも解りますよね。入籍をしなくても、社会的には家族として認められているため、不自由もないようですよ」

――それに比べると日本は?

「離婚をしたいと思い立ったら、すぐに離婚できる制度です。結婚と離婚の回数にも、制限はありません。また、同じ人と何度も結婚・離婚をすることも可能です。

夫婦げんかをして離婚届けを出し、直後に仲直りをして、同じ人と婚姻届を出すというケースも珍しくはありません。これだと、結婚・離婚回数が1回ずつ増えますね。林下さんのケースは、離婚回数としては多く感じられるかも知れませんが、同程度の方もいらっしゃいますよ。

日本はヨーロッパとは逆に、入籍の有無によって法的な効果にかなり差がありますので、家族になるなら結婚をするという意識が強いです。また現代の日本人は、一度結婚したら我慢しても添い遂げるという感覚は薄れてきていますので、離婚に対する抵抗感は希薄になってきているのではないでしょうか」

――結婚・離婚を繰り返すことに、法的問題点はないのでしょうか?

「お子さんがいらっしゃる場合は、将来的に相続で複雑な問題をはらみます。例えば、子連れ再婚同士のご夫婦の場合、どちらが先に死亡するかで、どちらのお子さんたちに相続がなされるか、その割合が大きく変わってきます。ですので、再婚のご夫婦の場合、後の憂いを防ぐため、遺言を作成するなどの準備を行っておくことをお勧めしております」

それにしても、林下さんのケースでも珍しくないとすれば、そのうち「101回目の結婚式」とかいうドラマも出てきかねないのではないか。そんな不安が脳裏をよぎってしまった。

(弁護士ドットコムニュース)

テレビ朝日系で放送されている波瀾万丈の大家族ドキュメンタリー「痛快!ビッグダディ」。4月下旬に放送された回では、ビッグダディこと林下清志さんが、18歳年下の妻・美奈子さんと離婚、子ども4人を連れて岩手県に移住し、接骨院を開業するといった内容が伝えられた。

せっかく再婚したのに約2年で別れてしまった林下さんだが、過去にも結婚相手の女性と3度の結婚と離婚を繰り返したという経緯がある。少なくとも4回は離婚を経験しているようだ。

一般的な感覚からすると少し多い気がするものの、たとえば有名人でいえば、4月に亡くなった俳優の三國連太郎さんも4回の結婚歴があった。そもそも、日本の法律では、結婚と離婚の回数に制限がないのだろうか。島野由夏里弁護士に聞いた。

●キリスト教国では簡単に離婚が認められない

「実は、日本は『とても離婚がしやすい国』なんです」。島野弁護士はこう切り出した。

「婚姻・離婚制度は一般に宗教との結びつきが強く、キリスト教国では簡単には認められない傾向があります。例えばイギリス、フランス、イタリア、オランダ等、ヨーロッパ諸国のほとんどでは、協議離婚の制度はありません。つまり、『裁判所の手続を通さなければ、離婚ができない』のです。

裁判で離婚が認められるための条件も厳しく、例えば『数年以上の別居の後でなければ、離婚の裁判もできない国』や、そもそも離婚制度自体がない国もあります。こういった国々では回数制限はありませんが、離婚手続に長い時間がかかるという意味で、簡単に離婚・再婚を繰り返すのは難しいですね」

――そんなに厳しいと、結婚するときの覚悟も相当なものだろう。

「はい。そのため、ヨーロッパ諸国では、簡単には結婚をしないという傾向があります。私の友人(フランス人)も、彼と一緒に暮らしているうちに子どもを産みました。彼女の話では、フランスでは、第一子出産後、第二子出産前に結婚するカップルが多いそうです。離婚の手続がそこまで大変であれば、結婚自体に二の足を踏む気持ちも解りますよね。入籍をしなくても、社会的には家族として認められているため、不自由もないようですよ」

――それに比べると日本は?

「離婚をしたいと思い立ったら、すぐに離婚できる制度です。結婚と離婚の回数にも、制限はありません。また、同じ人と何度も結婚・離婚をすることも可能です。

夫婦げんかをして離婚届けを出し、直後に仲直りをして、同じ人と婚姻届を出すというケースも珍しくはありません。これだと、結婚・離婚回数が1回ずつ増えますね。林下さんのケースは、離婚回数としては多く感じられるかも知れませんが、同程度の方もいらっしゃいますよ。

日本はヨーロッパとは逆に、入籍の有無によって法的な効果にかなり差がありますので、家族になるなら結婚をするという意識が強いです。また現代の日本人は、一度結婚したら我慢しても添い遂げるという感覚は薄れてきていますので、離婚に対する抵抗感は希薄になってきているのではないでしょうか」

――結婚・離婚を繰り返すことに、法的問題点はないのでしょうか?

「お子さんがいらっしゃる場合は、将来的に相続で複雑な問題をはらみます。例えば、子連れ再婚同士のご夫婦の場合、どちらが先に死亡するかで、どちらのお子さんたちに相続がなされるか、その割合が大きく変わってきます。ですので、再婚のご夫婦の場合、後の憂いを防ぐため、遺言を作成するなどの準備を行っておくことをお勧めしております」

それにしても、林下さんのケースでも珍しくないとすれば、そのうち「101回目の結婚式」とかいうドラマも出てきかねないのではないか。そんな不安が脳裏をよぎってしまった。

(弁護士ドットコムニュース)

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