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5歳児が公道で「ポケバイ」運転して補導…未就学児の場合、本人と親の責任は?
2017年03月07日 10時47分

ミニチュアサイズのオートバイ、ポケットバイクを公道で運転したとして、山梨県警が2016年9月に5歳だった男児を道路交通法違反(無免許運転)の疑いで補導していたことが報じられた。

報道によると、男児は2016年9月、父親の立ち会いのもとで、県内の一般道でポケットバイクを運転したとされている。現場を目撃した人が警察に通報。警察が父親から事情を聴取し、口頭で指導した。父親は「反省している」と話しているという。

未就学児の補導は珍しいケースということだが、今後児童が何らかのペナルティーを受ける可能性はあるのか。父親には何らかの法的責任が生じる可能性はあるのか。伊藤諭弁護士に聞いた。

ミニチュアサイズのオートバイ、ポケットバイクを公道で運転したとして、山梨県警が2016年9月に5歳だった男児を道路交通法違反(無免許運転)の疑いで補導していたことが報じられた。

報道によると、男児は2016年9月、父親の立ち会いのもとで、県内の一般道でポケットバイクを運転したとされている。現場を目撃した人が警察に通報。警察が父親から事情を聴取し、口頭で指導した。父親は「反省している」と話しているという。

未就学児の補導は珍しいケースということだが、今後児童が何らかのペナルティーを受ける可能性はあるのか。父親には何らかの法的責任が生じる可能性はあるのか。伊藤諭弁護士に聞いた。

●未就学児のような年少者も「補導」の対象

「警察活動には、少年の非行の防止及び保護を通じて少年の健全な育成を図るための警察活動が含まれ(少年警察活動規則)、こうした保護などの活動を補導と言っています」

伊藤弁護士はこのように指摘する。補導というと、深夜に繁華街を徘徊する少年・少女などを対象におこなわれるイメージがあるが、未就学の児童も対象なのか。

「補導の対象は、一般にイメージするように、深夜徘徊などをする非行少年を警察に連れて行くといったものだけではありません。

ここにいう少年は保護の対象ですので、未就学児のような年少者であっても同様です。『少年警察活動規則』では、低年齢少年(14歳に満たないもの)に対する指導の方法なども規定しています」

児童に何らかの法的なペナルティーが与えられる可能性はあるのか。

「今回の男児の行為は道路交通法に違反するものですが、14歳に満たないので罪に問われることはありません(刑法41条)。警察の補導は、まさしく保護を目的としたものと言えます。その保護の一環として監督者である父親から事情を聴取し、指導したものと考えられます。

今後、男児何らかのペナルティーを受けるということはありません」

では、父親には法的責任が生じる可能性はあるのか。

「理論上は、道路交通法違反の教唆犯になる可能性があります。

男児の行為は罰することはできませんが、違法な行為であることは明らかですので、これをそそのかすことも違法になります。

もっとも、本件で現実に処罰される可能性は低いと思われます。男児が事故を起こしたときに、賠償責任などを負うことも当然あり得ます」

(弁護士ドットコムニュース)

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