15852.jpg
新人警官の顔に「熱い豆腐」 を押し付ける・・・「パワハラ」で済まされる話なの?
2014年02月05日 15時25分

新人男性の顔に「熱い豆腐」を押しあて、軽いやけどを負わせる――。こんなタチの悪い「パワーハラスメント(パワハラ)」が、こともあろうに警察内で行われていたとして、話題になっている。

報道によると、男性新人警官の顔に「熱い豆腐」が押し付けられたのは、昨年4月の懇親会でのこと。この新人はそれ以外にも「腕立て120回」を強制されるなど、日常的にパワハラ行為を受けていたようだ。パワハラのきっかけは、この新人警官が「LINEのグループへの誘いを拒んだこと」だという。

この件で静岡県警は1月下旬、40代の男性警部補を停職1カ月、30代の男性巡査部長を減給10分の1(6カ月)の懲戒処分にした。2人は依願退職したという。そのほか、3人が懲戒処分、4人が所属長注意となった。

同県警は「パワハラ防止の意識改革に取り組む」とコメントしているが、鍋でアツアツになった豆腐を部下の顔に押し当てるような行為は、「パワハラ」で済まされるような話なのだろうか。新人は軽いやけどまで負っているようだが、もしこんなことをしたら、「犯罪」とされる可能性もあるのではないだろうか。労働問題にくわしい白鳥玲子弁護士に聞いた。

新人男性の顔に「熱い豆腐」を押しあて、軽いやけどを負わせる――。こんなタチの悪い「パワーハラスメント(パワハラ)」が、こともあろうに警察内で行われていたとして、話題になっている。

報道によると、男性新人警官の顔に「熱い豆腐」が押し付けられたのは、昨年4月の懇親会でのこと。この新人はそれ以外にも「腕立て120回」を強制されるなど、日常的にパワハラ行為を受けていたようだ。パワハラのきっかけは、この新人警官が「LINEのグループへの誘いを拒んだこと」だという。

この件で静岡県警は1月下旬、40代の男性警部補を停職1カ月、30代の男性巡査部長を減給10分の1(6カ月)の懲戒処分にした。2人は依願退職したという。そのほか、3人が懲戒処分、4人が所属長注意となった。

同県警は「パワハラ防止の意識改革に取り組む」とコメントしているが、鍋でアツアツになった豆腐を部下の顔に押し当てるような行為は、「パワハラ」で済まされるような話なのだろうか。新人は軽いやけどまで負っているようだが、もしこんなことをしたら、「犯罪」とされる可能性もあるのではないだろうか。労働問題にくわしい白鳥玲子弁護士に聞いた。

●暴行罪や傷害罪にあたる可能性がある

「パワハラには様々な定義がありますが、厚生労働省は2012年、次のような『職場のパワーハラスメント』の定義を発表しています。

(1)同じ職場で働く者に対して、

(2)職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、

(3)業務の適正な範囲を超えて、

(4)精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為

つまり、一口にパワハラといっても、無視や業務の妨害から今回のような身体的な攻撃まで、非常に広い行為が含まれるのです」

熱い豆腐を押し付けてケガをさせるのは、「パワハラ」で済まされる問題なのだろうか?

「パワハラ行為が刑法上の規定に該当すれば、もちろん、刑事処罰の対象になり得ます。

熱い豆腐を人の顔に押し当てる行為は、暴行罪(刑法208条)に該当しますし、その結果、被害者がやけどを負えば、傷害罪(刑法204条)に該当します」

今回はそういったケースにあたる気がするが、刑事事件にはならないのだろうか? 白鳥弁護士は次のように指摘していた。

「一般的には、刑法上の暴行罪・傷害罪で、実際に警察等が捜査をして、加害者に刑事処罰が下されるには、被害者が被害届を出して処罰を求めるといった積極的な行動が必要です。

今回についても、被害者が被害届を出せば、加害者が刑事処罰を受ける可能性はあると思います」

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る