15972.jpg
「田中みな実」電子マガジンのスクショ画像、Twitterで広がる…問題ないの?
2019年12月18日 09時54分

フリーアナウンサーの田中みな実さんがテレビや雑誌、そしてネットでも大人気だ。気になるのは、TwitterやInstagramでは田中さんのファンたちが、掲載誌のスクショをシェアしている様子が見られることだ。

田中さんのファンという女性(30代)によれば「みな実さんが掲載された女性ファッション誌の画像は電子マガジンをもとに、TwitterなどSNSで誰かがシェアしているので、見落とさないでいられる」という。

スマホで電子マガジンやテレビを見られるようになり、スクショできれいな画像を保存することが可能になった。ファンたちに悪気はないのだろうが、法的にはどうか。著作権に詳しい齋藤理央弁護士に聞いた。

フリーアナウンサーの田中みな実さんがテレビや雑誌、そしてネットでも大人気だ。気になるのは、TwitterやInstagramでは田中さんのファンたちが、掲載誌のスクショをシェアしている様子が見られることだ。

田中さんのファンという女性(30代)によれば「みな実さんが掲載された女性ファッション誌の画像は電子マガジンをもとに、TwitterなどSNSで誰かがシェアしているので、見落とさないでいられる」という。

スマホで電子マガジンやテレビを見られるようになり、スクショできれいな画像を保存することが可能になった。ファンたちに悪気はないのだろうが、法的にはどうか。著作権に詳しい齋藤理央弁護士に聞いた。

●誌面をスクショ→SNS投稿「著作権を侵害する」

「雑誌に掲載されている写真や記事は、それぞれ写真の著作物や言語の著作物として保護されます。加えて、雑誌は編集著作物などとして、たとえば誌面のレイアウトや構成も保護される可能性があります。

2019年11月には、漫画雑誌の編集著作権を侵害したとして、海賊サイト運営者3人に総額約1億6000万円の支払いを命じる判決が大阪地裁で出されました」

スクショを個人がSNSに投稿することも、著作権侵害になり得るのか。

「個人的に見返す目的などで、スマートフォンなどに保存するような場合は、権利侵害となりません。これを私的使用のための複製と言います。

一方、SNSに投稿する目的で保存する場合は投稿する以前にスマホに保存した時点で私的使用の範囲ではなく適法とならず、複製権侵害となります。

また、保存したときは個人的なスクショとして適法だった場合でも、権利者が同意していない限り、あとからSNSなどに投稿した場合は、違法な行為とみなされます。したがって、誌面をスクショして投稿する行為は基本的に著作権を侵害します」

●アイコンに使用「パブリシティ権侵害と判断される可能性」

誌面を投稿するだけでなく、アイコンに使うケースも散見される。

「田中みな実さん、つまり被写体の肖像権の問題も出てきます。肖像権は被写体の人格的利益を保護する側面と、パブリシティ権といって被写体としての経済的価値を保護する側面があります。

パブリシティ権について最高裁判所は、(1)肖像等を独立して商品にする場合、(2)商品等のブランディング使用、(3)肖像等の広告使用など、もっぱら肖像等の有する顧客吸引力の利用を目的とする場合、不法行為法上違法となると判示しています。

そうすると、スクショをアイコンに設定していたり、ヘッダーに大きく表示してフォロワーを獲得しているような場合は、もっぱら顧客吸引力の利用を目的としていると判断されてパブリシティ権侵害と判断される可能性があります。

また、パブリシティ権を侵害しない利用形態であっても、被写体の人格的利益を侵害する利用は違法となります。スクショと卑猥な画像や言葉を併せて投稿したり、アイコンに設定して過激な思想を投稿する場合は、社会的な受忍限度を超えるものとして、被写体に対する肖像権侵害と判断される可能性があります」

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る