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新幹線なら30分の「軽井沢ー長野」、観光列車ろくもんで信州の美味をじっくり堪能してみた
2018年07月29日 09時41分

軽井沢ー長野を2時間強かけてのんびり走る、しなの鉄道の観光列車ろくもん。水戸岡鋭治さんがプロデュースした車両で、2014年夏の運行開始以来、人気が続いているという。その秘密を探ろうと7月下旬、記者が実際に乗り込んだ。

軽井沢ー長野を2時間強かけてのんびり走る、しなの鉄道の観光列車ろくもん。水戸岡鋭治さんがプロデュースした車両で、2014年夏の運行開始以来、人気が続いているという。その秘密を探ろうと7月下旬、記者が実際に乗り込んだ。

●料理人乗り込み、懐石料理を提供

料金は食事付きプランで1万4800円(乗車だけなら、乗車区間に応じた運賃と指定席料金の大人1000円、小児500円が必要)。長野駅を午後1時34分に出て、軽井沢駅に同3時51分に着く行程を選んだ(長野→屋代→戸倉→上田→田中→小諸→信濃追分→中軽井沢→軽井沢)。指定席で、道中に懐石料理が出される。ほかに、運行時間帯が違う洋食が楽しめるコースや、特定日のみだが信州ワインが楽しめるコースもある。

懐石料理は、長野県小布施町の割烹「鈴花」から料理人が乗り込んで、出してくれる。料理人の男性は「お店は他の人間に任せて、自分はろくもんに専念している」と笑顔を見せた。懐石料理のメニューには信州の夏野菜がふんだんに使われ、信州和牛ローストビーフや信州サーモンつけ焼きなど充実した顔ぶれ。最後には、たてたばかりの抹茶も出された。

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●車窓からは雄大な浅間山

車窓からは日本有数の活火山である浅間山(標高2568m)を眺められ、線路沿いのある保育園では園児が横一列に並んで、通り過ぎるろくもんに対して手を振ってくれた。一瞬とはいえ心温まる交流だ。「自主的に、子どもたちがしてくれているようで嬉しいです」と、しなの鉄道経営企画課の山本将丸さん。

ろくもんの車内では料理の説明はもちろん、車窓から見える風景など丁寧な説明が印象的だった。サービス業の経験者や有名旅館で働いていた経験がある人材が、ろくもんに惚れ込んでスタッフとして加わったという。「おもてなし」が充実している。

また、車内には景観を楽しみながら食事ができるカウンター席やソファ席、個室のように使える席も整っていて、それらには地元の木材が使われているという紹介があった。所狭しと、信州を感じる内装になっている。

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●ろくもん乗車券、ふるさと納税の返礼品にも

ろくもんは、しなの鉄道への通常の申し込みに加え、沿線自治体の一部に対するふるさと納税をすれば、返礼品として乗車券がもらえる。小諸市の場合、5万円の寄付で、食事付きプラン(1人分)で乗ることができる。2人分なら10万円だ。

決して安くない寄付額なのは、総務省が返礼率(寄付額に占める返礼品の金額)を3割以下におさえるよう全国に通知した影響があるため。ただ、それでも寄附金控除という税制上のメリットも受けつつ、観光列車を楽しめるなら、十分検討に値すると感じた。

ろくもんが発着する軽井沢駅のしなの鉄道ホームは、アウトレットモール「軽井沢・プリンスショッピングプラザ」とは反対側。新幹線を降りた人たちがアウトレットに流れるばかりではもったいないと、駅ナカで子どもが遊べる施設や明治時代の駅舎をイメージした施設をを新たにつくるなど、着々と誘客のための手を打っている。経営企画課の山本さんは「しなの鉄道のことをより知ってもらって、沿線に多くの人を呼び込みたい」と話す。

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(取材:弁護士ドットコムニュース記者 下山祐治)早稲田大卒。国家公務員1種試験合格(法律職)。2007年、農林水産省入省。2010年に朝日新聞社に移り、記者として経済部や富山総局、高松総局で勤務。2017年12月、弁護士ドットコム株式会社に入社。twitter : @Yuji_Shimoyama

(弁護士ドットコムニュース)

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