「青汁王子」として知られる、若手経営者の三崎優太氏の月収が1億円であることが、7月に放送されたAbemaTVの番組「給与明細」で明らかになった。
高級タワーマンションに住み、豪華な生活を送っていることが伝えられる一方、明かされた給与明細では5千万円弱が所得税や住民税などとして引かれ、手取りは5146万円となっていた。「さすがに引かれすぎではないか」「節税対策はどうなってるの」などの声がネットであがっていた。
番組の内容だけでは詳細はわからないが、どのような節税対策が考えられるだろうか。安藤由紀税理士に聞いた。
●昨年1年間の収入は3億円超えか
ーー節税対策、何かありそうでしょうか
「給与に対する税額は固定なので、残念ながら給与の税金をダイナミックに減らす方法はほとんどありません。そのため、この高額な給与を支払う前のタイミングで節税対策をしたいところですね。王子は独身のようですが、ご家族ができたら経営に参加してもらい、収入を分散するのは代表的な方法でしょう」
ーーそれでは確定申告で税金を取り戻すことを考えればいいのでしょうか
「そうですね。給与支給を受けた後の節税チャンスは確定申告です。iDeCoなどの各種控除もありますが、この収入では焼け石に水なので割愛します。給与以外の不動産所得や事業所得などで赤字があれば、損益通算することで源泉税額を戻せます。ただし、仮想通貨の投資取引での赤字は雑所得となるため、給与とは相殺できません。
ところで、住民税額は昨年の所得に基づくものですが、給与から天引きされている住民税額が映っている映像を見て計算すると、昨年の収入は3億円超えくらいでしょうか」
ーー昨年の年収3億円もすごいですが、今年は月収1億円とはさらにすごいですね
「給与が同額だったとすると節税対策はきちんとやってらっしゃるかもしれませんね。ちなみに、このまま月収1億円の給与とすると、来年の住民税天引き額は毎月1千万円近くになります…。海外に移住すれば、住民税は払わなくていいのですが。
青汁王子、テレビで見たことありますが、面白いし、ビジネスセンスも納税意識も高くて素敵ですね。健康オタクなので、私もおいしい青汁を試してみたいと思います」
【取材協力税理士】
安藤 由紀（あんどう・ゆき）税理士
大学卒業後、銀行勤務を経て2008年に税理士登録（簿記、財務諸表論、法人税法、所得税法、相続税法の5科目合格）。大学講師、セミナー、執筆など業務は幅広い。経理初心者向けのわかりやすい解説に定評あり。（ブログ : https://ameblo.jp/ando-tax/ Twitter : @andoyuki_）
事務所名：安藤由紀税理士事務所
