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人権侵害のブラック校則をみんなで共有、「ヘンテコ教育の改善を」荻上さんが呼びかけ
2018年02月27日 09時24分

髪型や服装、登下校のルールなど、生徒を苦しめる理不尽な「ブラック校則」に注目が集まっている。2017年には、生まれつきの茶色い髪を黒く染めるように教諭らに強要されて不登校になったとして、大阪府立高校の女子高生が府に損害賠償を求める訴えを起こした。

こうした学校の問題について考えるシンポジウム(NPO法人ヒューマンライツ・ナウ主催)が2月26日、東京都千代田区の専修大学で行われ、評論家の荻上チキさんが「ブラック校則」、名古屋大大学院の内田良准教授が「ブラック部活」について講演した。

荻上さんは、「校則はとても便利な一元管理の仕方。ルールから外れた生徒だけ呼び出して指導する方法が合理的になってしまっている学校の働き方そのものを、変えていかなければならない」と、「ブラック校則」問題は教員の働き方改革にも通ずると指摘した。

髪型や服装、登下校のルールなど、生徒を苦しめる理不尽な「ブラック校則」に注目が集まっている。2017年には、生まれつきの茶色い髪を黒く染めるように教諭らに強要されて不登校になったとして、大阪府立高校の女子高生が府に損害賠償を求める訴えを起こした。

こうした学校の問題について考えるシンポジウム(NPO法人ヒューマンライツ・ナウ主催)が2月26日、東京都千代田区の専修大学で行われ、評論家の荻上チキさんが「ブラック校則」、名古屋大大学院の内田良准教授が「ブラック部活」について講演した。

荻上さんは、「校則はとても便利な一元管理の仕方。ルールから外れた生徒だけ呼び出して指導する方法が合理的になってしまっている学校の働き方そのものを、変えていかなければならない」と、「ブラック校則」問題は教員の働き方改革にも通ずると指摘した。

●高校が黒染めを要求、「従えないなら学校を辞めて」

荻上さんは2017年12月、NPO有志で作られた「“ブラック校則”をなくそう!プロジェクト」のスーパーバイザーに就任。プロジェクトで行った調査の結果を3月上旬に発表し、その内容を元に文部科学省に申し入れをする予定となっている。

荻上さんは「ブラック校則」の定義について、(1)理不尽なルールがあり、(2)不適切な運用があるものだと説明。生徒手帳に書いていながら形骸化している校則や、明文化されていないが現場の裁量で行われている校則もあるため、プロジェクトの調査では生徒手帳にどう記されているかではなく、実際にどういった指導を体験したかに注目したという。

プロジェクトにはどんな「ブラック校則」の事例が寄せられたのか。地毛が茶色の高校生の子どもがいるという女性からは、高校が黒染めを要求してくるものの、女性はシングルマザーで生活保護を受給しており、頻繁に髪を黒染めすることで美容院代も家計に響いているという声が寄せられた。学校からは「ルールに従えないなら学校を辞めてくれ」と言われ、女性も子どもも学校に行くことに消極的になっているという。

これについて荻上さんは、「極端なケースに思えるが、このように個々人の健康被害や経済的な打撃を強いるもの、そして生徒自身の自尊心や人への信頼感情を損なうといった校則もある」と指摘した。

●「明らかに子どもの人権侵害になる校則は共有して、社会的通念を作り上げて欲しい」

プロジェクトを通じて体罰や不適切指導の定義拡大を目指すとともに、文科省に周知を求めるという。荻上さんは、「寒いのに防寒を許さない、暑いのに扇風機をつけてはいけない。そういったルールは虐待に等しい。明らかに子どもの人権侵害になる校則は共有して、社会的通念を作り上げて欲しい。また、校則には根拠がないことが多い。ヘンテコな学校の教育、教育行政を改善していけたらと思います」と話した。

これまで学校での柔道の死亡事故や巨大組体操の問題に取り組んできた内田さんは、「安全かどうかという観点は、人を説得するには十分だし科学的根拠の裏付けもある。校則の問題にも安全面から切り込んだら良いのではないか。まずは今の問題を見える化して、動かしていけるといい」と話した。

(弁護士ドットコムニュース)

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