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子持ち同僚の穴埋めで疲弊、「子育てのほうが何千倍も大変」と言われても… 大手メーカー社員の本音
2024年05月27日 09時48分
#子持ち様 #マタハラ #子育て #お迎え

今、日本のネット世論を分断しているものの一つと言えば、「子持ち様」論争だろう。

子育て世代の労働環境がようやく整って、職場の制度を利用する人も増えてきたが、一方で、独身や子どものいない人たちの視線は冷たい。職場にもよるが、幼い子のいる親が、子どもの行事や急病などで会社を休んだり、早退した場合、その分のしわ寄せが及ぶからだ。

子育て中の人を批判・揶揄する「子持ち様」なるスラングがうまれて、毎日のようにネット論争の火種となっている。こうした状況の下、弁護士ドットコムニュース編集部が「子持ち様」に関する情報をLINEで募ったところ、賛否ともに多くの意見が寄せられた。

大手メーカー社員の真希さん(仮名)は「子どもは社会の宝、子育ては尊い偉業とはわかってはいます」と断りつつも、子育て中の同僚が「子どもの行事」を優先させることで振り回されているとため息をつく。分断を深めたいわけではないが、本音がにじむ彼女の言葉を取り上げたい。

今、日本のネット世論を分断しているものの一つと言えば、「子持ち様」論争だろう。

子育て世代の労働環境がようやく整って、職場の制度を利用する人も増えてきたが、一方で、独身や子どものいない人たちの視線は冷たい。職場にもよるが、幼い子のいる親が、子どもの行事や急病などで会社を休んだり、早退した場合、その分のしわ寄せが及ぶからだ。

子育て中の人を批判・揶揄する「子持ち様」なるスラングがうまれて、毎日のようにネット論争の火種となっている。こうした状況の下、弁護士ドットコムニュース編集部が「子持ち様」に関する情報をLINEで募ったところ、賛否ともに多くの意見が寄せられた。

大手メーカー社員の真希さん(仮名)は「子どもは社会の宝、子育ては尊い偉業とはわかってはいます」と断りつつも、子育て中の同僚が「子どもの行事」を優先させることで振り回されているとため息をつく。分断を深めたいわけではないが、本音がにじむ彼女の言葉を取り上げたい。

●「仕事がリスケを余儀なくされる」

「会社のオフィシャルな予定表に『お迎え』『保護者会』『運動会』など、個人的な用事がガッツリ書き込んであり、その時間には、いくら緊急であっても、一切、会議の予定が入れられません。

会議や研修など、社内の予定は子育て中の方に合わせてプランニングされています。ようやく数少ない『空き時間』に会議をねじ込んでも、直前に『子どもの都合』でリスケを余儀なくされてしまいます。

メールのレスポンスや作業進捗、すべて子育て中の方々待ちです。仕方がないこととは言え、仕事が遅々として進みません。社内会議ならまだしも、客先が絡むものは影響が大きく、こちらの神経と時間が削られます」

真希さんの会社は「子育て世代が働きやすい」と謳っており、万が一でも「マタハラ」と訴えられるような事態は避けたい考えだ。その結果として、子育て中の人たちを「腫れ物」に触るように扱って、独身や子なし社員に「しわ寄せ」が及んでいるという。

「会社側は、独身や子どものいない人に『いずれ自分にも返ってくることだから』と言って無茶振りをしてきます。それは間違いなく『子どもを持つこと』を強要している立派な『マタハラ』だと思います」

●「仕事より子育てが何千倍も大変なの!」

また、真希さんは、子育て中の人たちの「休みの使い方」に疑問を抱いている。もちろん、それぞれのライフスタイルは自由で、何よりも優先されるべきだが、仕事に跳ね返ってくる場合は、周りに配慮しないわけにはいかないはずだが・・・。

「子連れでテーマパークなどに遠出することはかまいません。しかし、休みのたびに疲れから体調不良を起こすパターンが多いです。そのため、週明けは重要な会議の予定を入れられません。

お子さんとの『思い出づくり』は大切だと思いますが、仕事のこともちょっと考慮して、調整することはできないのでしょうか。良きママやパパであると同時に『会社人』でもあるはずです」

ここまで彼女の話を聞いて「これくらいなら、少し我慢してあげれば」と感じる人もいるかもしれない。だが、さらにデリカシーに欠けた言動があることから、怒りの感情が渦巻くことになっているようだ。

この会社の業務繁忙期に「社員レクリエーション」の準備に手が回らないことがあった。真希さんたちが、企画中止に向けて進めようとしたところ、”事件”が発生したという。

「子持ちの方に『あたしたち子育てママの唯一の楽しみなんだからやってよ!』と言われました。『では、準備はそちらで」と言おうものなら、『子育てでいっぱいいっぱいなのにできるわけないでしょ!』と返されました・・・ため息しか出ません。

また、『仕事なんてくだらないことより子育てのほうが何千倍も大変なの!』と言われましたが、その『くだらないこと』を命がけでしているから、会社は存続できて、子どもをディズニーランドに連れて行ける給料を得られるのではないでしょうか」

先ほども述べたように、真希さんは「会社が子育て中の人を腫れもの扱いしている」と感じている。現時点で一般化しづらいが、独身や子どものいない人たちにとって「子持ち様」はモンスター化した何かのように映っているのかもしれない。もちろん、逆もしかりだろう。

今回の情報募集では、「子持ち様論争」を取り上げるメディアの責任を問う声もあった。これから生まれてくる子どもたちにとっても社会がより良く発展していくよう、その分断の原因を可視化しつつ、処方箋を出していくことが求められる。

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