16668.jpg
ノンスタ石田さんが苦言、ライブ内容を勝手にまとめる「ライブレポ」は法的に問題?
2016年01月15日 11時38分

お笑い芸人のライブの内容をまとめ、ブログやSNSなどで報告する「ライブレポ(ライブ・レポート)」。そんなライブレポについて、お笑いコンビ「NON STYLE」の石田明さんがブログで、「やめてほしい」と訴えている。

石田さんは1月上旬、「ライブレポって大嫌い」と題したブログ記事を公開。ライブレポについて、「僕は一言一言にこだわって舞台に出てます。うろ覚えで文字に起こすのは言語道断。『舞台を観に来れない人のために』などという意見もうけつけません」と述べている。ライブレポによってライブの様子が不完全な形で伝わってしまうことが許せないようだ。

その上で、「そのライブを活字で伝えるなら僕本人です」として、ライブレポをやめるよう訴えた。お笑いのライブで、コントや漫才の内容をライブレポとしてブログなどで公開する行為は、法的に問題ないのだろうか。知的財産権の問題に詳しい雪丸真吾弁護士に聞いた。

お笑い芸人のライブの内容をまとめ、ブログやSNSなどで報告する「ライブレポ(ライブ・レポート)」。そんなライブレポについて、お笑いコンビ「NON STYLE」の石田明さんがブログで、「やめてほしい」と訴えている。

石田さんは1月上旬、「ライブレポって大嫌い」と題したブログ記事を公開。ライブレポについて、「僕は一言一言にこだわって舞台に出てます。うろ覚えで文字に起こすのは言語道断。『舞台を観に来れない人のために』などという意見もうけつけません」と述べている。ライブレポによってライブの様子が不完全な形で伝わってしまうことが許せないようだ。

その上で、「そのライブを活字で伝えるなら僕本人です」として、ライブレポをやめるよう訴えた。お笑いのライブで、コントや漫才の内容をライブレポとしてブログなどで公開する行為は、法的に問題ないのだろうか。知的財産権の問題に詳しい雪丸真吾弁護士に聞いた。

●同一性保持権の侵害にあたる可能性

「石田さんの訴えは法的にも全く正当なものです」

雪丸弁護士はこのように切り出した。

「石田さんの作るネタのセリフは著作物と評価されますが、著作物を創作した著作者には、『同一性保持権』(著作権法20条1項)という権利が与えられます。次のような条文です。

『著作者は、その著作物及びその題号の同一性を保持する権利を有し、その意に反してこれらの変更、切除その他の改変を受けないものとする』

著作者にとって自分の作品はとても大事なものですので、これを勝手に変更されてしまってはたまりません。

不完全なレポートを見た読者に『NON STYLEのライブつまらない』と思われてしまうのは、石田さんもさぞ無念でしょう。

このような著作者の想いを保護するために、著作者の意思に反して作品(著作物)を改変してはいけないのです。

不完全なライブレポの公開は、同一性保持権の侵害となります」

具体的には、どんな法的責任を負う可能性があるのだろうか。

「同一性保持権の侵害に対しては、著作者は損害賠償請求や差止め請求が可能です。

また、5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金が科される犯罪行為でもありますので、気をつけましょう」

●完全に再現した場合でもアウト

不完全なものが違法ということは、一言一句ネタのセリフを完全に再現したレポートであれば、問題ないのだろうか。

「それはそれで、複製権や公衆送信権といった著作権侵害にあたるので、許されないことになります」

雪丸弁護士はこのように述べていた。

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る