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「一般市民から借りた金を返さない」東京の弁護士に懲戒請求――弁護士会が異例の公表
2015年09月03日 16時20分

第二東京弁護士会(三宅弘会長)は9月3日、同会に所属する中田康一弁護士(55)が、一般市民に投資話を持ちかけるなどし、計6160万円を預かっておきながら、約束どおりに返さないなどとして、懲戒請求を行うと発表した。

懲戒は、各地の弁護士会が所属弁護士を審査し、「弁護士の信用や品位を害する行為をした」と判断した場合にくだす処分。懲戒処分の内容は、最も軽い「戒告」から「業務停止」「退会命令」、そして、最も重い「除名」まで、全部で4種類がある。まだ処分されるかどうか決まっていない「懲戒請求」の段階で、弁護士会がその対象者を公表するのは異例だ。

同会は「中田弁護士は、継続的に一般市民から借金しており、それを返済するため、新たな借り入れを行うおそれも懸念される」「公表しないことで被害が拡大するおそれがある」などとして、懲戒請求と同時の公表に踏み切った。

第二東京弁護士会(三宅弘会長)は9月3日、同会に所属する中田康一弁護士(55)が、一般市民に投資話を持ちかけるなどし、計6160万円を預かっておきながら、約束どおりに返さないなどとして、懲戒請求を行うと発表した。

懲戒は、各地の弁護士会が所属弁護士を審査し、「弁護士の信用や品位を害する行為をした」と判断した場合にくだす処分。懲戒処分の内容は、最も軽い「戒告」から「業務停止」「退会命令」、そして、最も重い「除名」まで、全部で4種類がある。まだ処分されるかどうか決まっていない「懲戒請求」の段階で、弁護士会がその対象者を公表するのは異例だ。

同会は「中田弁護士は、継続的に一般市民から借金しており、それを返済するため、新たな借り入れを行うおそれも懸念される」「公表しないことで被害が拡大するおそれがある」などとして、懲戒請求と同時の公表に踏み切った。

●「近い将来支払う」と言いつつ、返済は実現せず

同会によると、中田弁護士は2012年10月ごろ、沖縄県で開催された資産運用セミナーで知り合った沖縄県内の経営者A氏に対して投資話を持ちかけ、A氏から4000万円、A氏が経営する会社の従業員B氏から1000万円を預かったが、約束通りに返還しなかった。

また、2014年4月〜11月にかけて、A氏をはじめとする沖縄県の一般市民5人から、100万円〜360万円の借り入れを繰り返した。返済期限は「1週間後」や「約1カ月後」などとしていたが、期限を過ぎても返済していないという。

弁護士会に対し、中田弁護士は、支払いしなければならない事実を認めたうえで、「近い将来支払いができる」と述べたという。中田弁護士は今年3月、5月、7月にも「近い将来」という同様の説明をしていたが、返済は全く実現していないという。

弁護士ドットコムニュースの記者が、中田弁護士の事務所に問い合わせたところ、電話に出た職員は、中田弁護士のコメントとして「その件について、お話することは特にない」と告げた。

●「中田光一知」とも名乗っていた

中田弁護士は別件で、2014年12月に業務停止4カ月の懲戒処分を受けたことがある。第二東京弁護士会によると、中田弁護士はその後、事務所のウェブサイトなどで、本名の「中田康一」ではなく「中田光一知」という名前を使い、あたかも業務停止処分を受けた弁護士とは別人であるかのように見せていたという。

弁護士会は注意したが、中田弁護士は「他意はない。あまりにも不運が続いたから名前を変えた」などと説明して、訂正しなかった。この「中田光一知」はもともと、中田弁護士がペンネームとして使っていた名前だという。2012年までの数年間は、弁護士会に届け出て、「職務上の名前」としても使用していたそうだ。

なお、中田弁護士は2015年7月、顧問先から借りた1000万円を長期間返済していないとして、懲戒処分を受けた。9月14日までの2カ月間、「業務停止」となっている。

(弁護士ドットコムニュース)

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