17351.jpg
ドライブ中に窓から…「世界最強の闘犬」ピットブルが逃走 人を噛んだら飼い主の責任は?
2024年06月10日 13時34分
#ペット #ピットブル #逃走 #過失

栃木県栃木市でアメリカンピットブルテリア2匹が逃げ出したと栃木県警が6月9日に発表した。飼い主の男性が届け出た。「世界最強の闘犬」とも呼ばれる犬種で、見つけてもむやみに近づかず通報してほしいと警察が呼びかけている。

読売新聞などの報道によれば、犬はそれぞれ黒い首輪と黄色の首輪をつけており、いずれも茶色で体長約70センチ。

男性の説明では、8日午後8時半ころ、男性が藤岡渡良瀬運動公園近くをドライブ中に、後部座席に乗せていた犬2匹が窓から逃げた。犬が車の電動スイッチに触れて窓が開いたという。

もしも逃走中の犬が人を噛んでケガをさせた場合、飼い主には法的責任が生じることもある。ペットとのドライブでも安全上の配慮が必要だ。ペットをめぐる法律に詳しい石井一旭弁護士に聞いた。

栃木県栃木市でアメリカンピットブルテリア2匹が逃げ出したと栃木県警が6月9日に発表した。飼い主の男性が届け出た。「世界最強の闘犬」とも呼ばれる犬種で、見つけてもむやみに近づかず通報してほしいと警察が呼びかけている。

読売新聞などの報道によれば、犬はそれぞれ黒い首輪と黄色の首輪をつけており、いずれも茶色で体長約70センチ。

男性の説明では、8日午後8時半ころ、男性が藤岡渡良瀬運動公園近くをドライブ中に、後部座席に乗せていた犬2匹が窓から逃げた。犬が車の電動スイッチに触れて窓が開いたという。

もしも逃走中の犬が人を噛んでケガをさせた場合、飼い主には法的責任が生じることもある。ペットとのドライブでも安全上の配慮が必要だ。ペットをめぐる法律に詳しい石井一旭弁護士に聞いた。

●ピットブルが人を噛めば刑事罰もありえる

——犬が人にケガをさせるとどのような責任を問われるでしょうか

犬が電動スイッチに触れたことで窓が開き、窓から逃げたと報じられていることを前提とすると、飼い主に過失があると考えられます。

逃走した末に他人を噛んで怪我をさせたり、何らかの物品を破損させたりした場合、飼い主は、犬の管理が不十分だったとして、民法718条1項 により、損害賠償を負担する可能性があります。

この条文では「動物の種類及び性質に従い相当の注意を持ってその管理をしたとき」の免責規定がありますが、そもそもこの免責が認められることは稀ですし、本件では窓が犬でも開けられる状態にしていたことで飼い主の責任は免れないと思われます。

刑事でも、事情によっては過失傷害罪(刑法209条1項)に問われる可能性があるでしょう。

——犬とドライブする飼い主はどのようなことに注意すべきでしょうか

飼い主のドライブに同伴して、車窓から首を出している犬をよく見かけます。犬もとても気持ちよさそうですし、飼い主もそんな犬の様子を見て楽しい気分になることでしょう。

しかし、窓から首を出させることは道路交通に危険を生じさせる行為として、多くの公安委員会が禁止しています。例えば東京都では道路交通法76条4項7号を受けた東京都道路交通規則17条4号が「みだりに…車両等の中から身体若しくは物件を出すこと」を禁じております。

私の事務所がある京都府でも「交通の危険または妨害となるような方法で、自動車…から身体または物を突き出すこと」が禁じられています(京都府道路交通規則13条8号)。違反者には5万円以下の罰金が科されます(道交法120条1項10号)。

窓を開けていると、今回のケースのように犬が突然飛び出すこともありえますし、その場合ペットが負傷する可能性もあります。ペット同伴のドライブの際は、クレート(キャリー)やケージなどに入れる、シートベルト付きのハーネスを使用するなど、安全性に配慮した十分な処置をとるようにしましょう。

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る