17465.jpg
「結婚相談所」に登録したけど結婚できなかった・・・費用を返してもらえないか?
2014年09月18日 11時55分

「結婚したいけど、プライベートで出会いのチャンスがない」という男女の間で、結婚相談所が人気だ。結婚相談所に登録して、パートナーと出会い、幸せな結婚ができたという話も聞く。

その一方、結婚できないまま、お金と時間だけを費やしたという声もネット上にはある。ある掲示板では、「お付き合いが始まるどころか、見合いすら成立せず。相手からの申し込みはないし、こちらから申し込んでもダメ」というアラフォー男性の書き込みに、多くの同情が寄せられていた。この男性は半年間、ある結構相談所を利用していたが、まったく結婚できる気配がないため、退会を決意したのだという。

結果的に結婚できなかった利用者からすれば、相談所に恨み節の一つも言いたくなるだろう。もし、そうした人が、「結婚できなかったのだから、費用は返してほしい」と訴えたら、主張が認めてもらえる可能性はあるだろうか。大村真司弁護士に聞いた。

「結婚したいけど、プライベートで出会いのチャンスがない」という男女の間で、結婚相談所が人気だ。結婚相談所に登録して、パートナーと出会い、幸せな結婚ができたという話も聞く。

その一方、結婚できないまま、お金と時間だけを費やしたという声もネット上にはある。ある掲示板では、「お付き合いが始まるどころか、見合いすら成立せず。相手からの申し込みはないし、こちらから申し込んでもダメ」というアラフォー男性の書き込みに、多くの同情が寄せられていた。この男性は半年間、ある結構相談所を利用していたが、まったく結婚できる気配がないため、退会を決意したのだという。

結果的に結婚できなかった利用者からすれば、相談所に恨み節の一つも言いたくなるだろう。もし、そうした人が、「結婚できなかったのだから、費用は返してほしい」と訴えたら、主張が認めてもらえる可能性はあるだろうか。大村真司弁護士に聞いた。

●「結果」を約束しているかどうか?

「なんらかの業務を依頼する契約は、『業務の結果』にお金を払っているものと、『業務そのもの』にお金を払っているものに、分けることができます」

このように大村弁護士は切り出した。

「たとえば、大工さんに家を建ててもらう場合、普通は完成した家、つまり『業務の結果』と引き替えにして、お金を支払う契約をします。

相手とこうした契約を結んだなら、一定の水準の家が完成しなければ、お金を支払う必要はありません」

それでは、「業務そのもの」に対してお金を払うというのは、どういう場合だろうか?

「たとえば、医者にかかる場合ですね。医者は病気を治すことを目標にしますが、どんな名医でも『必ず病気を治す』ことは約束できません。弁護士も同じく、『必ず訴訟に勝つ』とは言えません。

だから、医者にかかったり、弁護士を雇うときは、結果ではなく『業務そのもの』に対して、お金を支払う契約をするのですね」

大村弁護士はこのように説明する。そうすると、「結婚相談所との契約が、どちらのタイプか」が、ポイントになりそうだ。

「さきほどと同じように考えると、結婚相談所が『絶対にあなたを結婚させます』と約束することはできませんね。

憲法にも書かれていることですが、結婚をするためには『相手との合意』が必要で、その合意は誰にも強制できないことだからです。

したがって、医者や弁護士のケースと同じように、結果的に結婚できなかったからといって、代金の返還を求めるのは不可能だと思います」

●サービスに不満なら「中途解約」できる

もし、結婚相談所のサービスがいまいちでも、返金はありえないのだろうか?

「たとえば、『もともと聞いていた話よりも登録者数が少なかった』とか、『結婚相談所が十分なマッチングを行わなかった』というように、その相談所が十分なサービスを提供していなかったとしたら、契約を守らなかった(債務不履行)として、お金を返してもらえる可能性があります。

しかし、登録人数がどれくらいなのかを証明するのは難しいですし、『十分なマッチング』の水準を一義的に決めるのは難しいと思われます。したがって、証明の観点からして、『結婚相談所は、料金に対して十分なサービスを提供していなかった』と裁判所に認めてもらうのは、現実問題としてはなかなか難しいでしょう」

では、サービス内容に不満を感じたら、利用者はどうすればよいだろう。

大村弁護士は「費用に見合わないと思ったら、早めに止めてしまうのが正解です。結婚相手紹介サービスには、特定商取引法が適用されるので、中途解約が可能です」とアドバイスを送っていた。

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る