17493.jpg
ホストに500万円つぎ込んで「結婚」約束・・・音信不通になったら「結婚詐欺」?
2015年05月06日 08時30分

「結婚を約束したホストと連絡が取れない」。そんな悩みが、ホストと「交際していた」という女性から、弁護士ドットコムの法律相談コーナーに寄せられた。スマートフォンのメッセージアプリ「LINE」で「結婚の約束」をしていたというのだ。

女性は、ホストの男性から「結婚する前に店を辞めたいが、そのためには店でナンバーワンを2回取らないといけない」と言われ、真にうけてしまったようだ。そこで、彼をナンバーワンにするために、4カ月で500万円という大金を店で使い、売り上げに貢献したという。

ところが、そのホストは、店を辞めると「音信不通」になってしまった。電話は着信拒否、LINEもブロックされたのだという。女性は「自業自得といえばそうですが・・・」と自分を責めつつも、「『店を辞めて結婚したい』とだまして、お金を使わせたことは詐欺になりませんか?」と悔しそうだ。

今回のケースは、いわゆる「結婚詐欺」にあたるのだろうか? また、女性は「半分でもいいのでお金を取り返したい」と記しているが、それは可能だろうか? 大山滋郎弁護士に聞いた。

「結婚を約束したホストと連絡が取れない」。そんな悩みが、ホストと「交際していた」という女性から、弁護士ドットコムの法律相談コーナーに寄せられた。スマートフォンのメッセージアプリ「LINE」で「結婚の約束」をしていたというのだ。

女性は、ホストの男性から「結婚する前に店を辞めたいが、そのためには店でナンバーワンを2回取らないといけない」と言われ、真にうけてしまったようだ。そこで、彼をナンバーワンにするために、4カ月で500万円という大金を店で使い、売り上げに貢献したという。

ところが、そのホストは、店を辞めると「音信不通」になってしまった。電話は着信拒否、LINEもブロックされたのだという。女性は「自業自得といえばそうですが・・・」と自分を責めつつも、「『店を辞めて結婚したい』とだまして、お金を使わせたことは詐欺になりませんか?」と悔しそうだ。

今回のケースは、いわゆる「結婚詐欺」にあたるのだろうか? また、女性は「半分でもいいのでお金を取り返したい」と記しているが、それは可能だろうか? 大山滋郎弁護士に聞いた。

●ホストは、客に「夢」を見させる商売

「結婚するとウソをついていただけでは、結婚詐欺にはなりません。結婚するとだまして『金品等』をとった場合が、結婚詐欺です。

また、最初からだますつもりがなければ、詐欺になりません。たとえば、『当初は本気で結婚するつもりだったが、後から気が変わった』ということなら、詐欺にはならないわけです」

大山弁護士の指摘から考えると、今回のケースでは「金品等」にホストクラブでの「飲食費」も含まれるのか、ホストとの「交際」と「結婚の約束」がどのようなものかが、カギをにぎることになりそうだ。

「本件のような場合、結婚詐欺ということで警察が動いてくれるのは、相当難しいはずです。

ホストは、ある意味、お客に『夢』を見させる商売です。そもそも、LINEのやり取りで『結婚の意思があった』と信じるのが普通のことなのかが、問題となります。また、ホストが後で『当初は結婚してもいいと思っていた』と主張したら、それを反証するのは、簡単ではありません」

●つぎ込んだ500万円は取り返せない?

では、彼のために使った500万円は、もう取り返せないのか。

「今回のケースは、ホストに直接お金を貢がせたのではなく、お店でお金を使わせただけですので、お金を取り返すのは難しいでしょう。

ただ、このホストが他の人に対しても同じようなことを何度もしていて、被害届が多数出ていれば、警察も動くでしょう。また、もともと理論的には『詐欺罪』とすることも可能な案件であることは、間違いありません。

しかし一般論としては、男女間の問題で『結婚詐欺』などの詐欺罪が適用されるハードルは、かなり高いものだと考えたほうが良さそうです」

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る