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「私、逮捕されますか?」摘発が進むオンラインカジノ 過去に利用した人はどうすればいい?
2025年06月28日 09時23分
#オンラインカジノ

最近、オンラインカジノ利用者の検挙が相次ぎ、弁護士ドットコムにも「自分も逮捕されるのでは」と不安を抱える方からの相談が増えています。

オンラインカジノは海外サーバーであっても日本国内からの利用は違法ですが、過去に利用してしまった方はどうすればよいのでしょうか。

オンラインカジノの違法性についてあらためて確認したうえで、知っておくべき公訴時効と逮捕リスクについて解説します。

最近、オンラインカジノ利用者の検挙が相次ぎ、弁護士ドットコムにも「自分も逮捕されるのでは」と不安を抱える方からの相談が増えています。

オンラインカジノは海外サーバーであっても日本国内からの利用は違法ですが、過去に利用してしまった方はどうすればよいのでしょうか。

オンラインカジノの違法性についてあらためて確認したうえで、知っておくべき公訴時効と逮捕リスクについて解説します。

●オンラインカジノは日本国内からの利用は違法

まず、オンラインカジノは、仮にサーバーが海外にあっても、日本国内から利用した場合には賭博罪(刑法185条)または常習賭博罪(刑法186条)に該当する違法行為だということです。

「海外の会社が運営している」「サーバーが海外にある」という理由で合法だと誤解される方がいますが、これは間違いです。

日本の刑法は属地主義を採用しており、日本国内で行われた行為には日本の法律が適用されます。日本国内からインターネットを通じてオンラインカジノにアクセスし、賭博行為を行えば、日本の刑法で処罰されます。

● 今後は絶対に手を出してはいけない

オンラインカジノの違法性が明確である以上、今後は絶対に利用してはいけません。

「少額だから大丈夫」「みんなやっているから」といった考えは危険です。有名人逮捕のニュースがよく報道されているように、警察による取り締まりは強化されており、利用者の検挙事例も増加しています。

オンラインカジノは依存症のリスクも高く、経済的な破綻につながる可能性もあります。

違法性だけでなく、自身の生活を守るためにも、きっぱりと手を切ることが重要です。

● 過去に利用してしまった方が知っておくべき「公訴時効」とは?

すでにオンラインカジノを利用してしまい、不安を抱えている方も多いでしょう。

結論からいえば、過去の利用について逮捕される可能性はゼロではありません。

しかし、刑事訴訟法における公訴時効の規定は知っておいた方が良いでしょう。

賭博罪および常習賭博罪の公訴時効は、いずれも「3年」です(刑事訴訟法250条2項6号)。これは、犯罪行為が終了してから3年が経過すれば、検察官が起訴できなくなることを意味します。

したがって、3年より前のオンラインカジノ利用については、公訴時効が成立している可能性が高く、逮捕・起訴される可能性は極めて低いと考えられます。

ただし、継続的に利用していた場合は、最後の利用日から3年となることに注意が必要です。

● 今すぐ取るべき行動

過去にオンラインカジノを利用してしまった方は、以下の行動を取ることをお勧めします。

1.  即座に利用を停止する
まだ利用を続けている方は、今すぐに停止してください。アカウントの削除、アプリのアンインストールなど、再び手を出さないための環境を整えましょう。

2.  利用履歴の確認
最後に利用した日付を確認し、公訴時効の起算点を把握しておきましょう。

3.  不安が強い場合は弁護士に相談
個別の事情によって状況は異なります。強い不安を抱えている方や、高額の利用があった方は、刑事事件に詳しい弁護士に相談することをお勧めします。

● まとめ

オンラインカジノは日本国内から利用すれば明確に違法です。今後は絶対に手を出さないでください。

過去に利用してしまった方については、3年の公訴時効を考慮すると、3年以上前の利用であれば逮捕される可能性はきわめて低いと考えられます。

心配な方は、弁護士やカウンセラーなどの専門家に相談すると良いでしょう。お住まいの地域の役所や弁護士会などが主宰する無料法律相談を探してみるのも良いと思います。

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