17588.jpg
大崎事件、最高裁の判断は「刑事事件の鉄則に反している」 岐阜県弁護士会が「再審認めない決定」に抗議声明
2025年04月17日 10時34分
#大崎事件 #岐阜県弁護士会 #原口アヤ子

岐阜県弁護士会は4月16日、最高裁判所第三小法廷が「大崎事件」の第4次再審開始を認めない判断をしたことに抗議する会長声明を発表した(声明は4月9日付)。

声明では、最高裁の判断は「科学的・専門的知見に基づいた判断を行っておらず」、「刑事裁判の鉄則に反してい」ると批判している。

大崎事件は1979年、鹿児島県大崎町の牛小屋で死体が発見されたことから始まり、原口アヤ子さんとその親族が殺人・死体遺棄罪で起訴された。

原口さんは無罪を主張し続けたが、懲役10年の判決を受け服役した。原口さんは満期服役後も再審請求を続けてきたが、これまで3度の再審請求が認められず、これが4度目の請求だった。

岐阜県弁護士会は4月16日、最高裁判所第三小法廷が「大崎事件」の第4次再審開始を認めない判断をしたことに抗議する会長声明を発表した(声明は4月9日付)。

声明では、最高裁の判断は「科学的・専門的知見に基づいた判断を行っておらず」、「刑事裁判の鉄則に反してい」ると批判している。

大崎事件は1979年、鹿児島県大崎町の牛小屋で死体が発見されたことから始まり、原口アヤ子さんとその親族が殺人・死体遺棄罪で起訴された。

原口さんは無罪を主張し続けたが、懲役10年の判決を受け服役した。原口さんは満期服役後も再審請求を続けてきたが、これまで3度の再審請求が認められず、これが4度目の請求だった。

●「死亡時期を明らかにした新証拠の重要性を無視」と強く非難

声明では、第4次再審請求では、救急医療の専門家・澤野誠教授による新たな鑑定(澤野鑑定)が提出されたことを指摘。

この鑑定は被害者の「死亡時期」に焦点を当て、被害者が自宅帰宅前に死亡していたことを示すもので、「アヤ子氏らが被害者を殺害することはあり得ない」ことを科学的に証明するものだったという。

しかし、最高裁判決はこの新証拠の位置づけを「死因」に関するものと判断し、再審請求を棄却した。

岐阜県弁護士会は、原口さんの支援を継続するとともに、再審における証拠開示の制度化や再審法改正など、えん罪防止・救済のための制度改革実現に尽力する方針も表明している。

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る