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新潟日報元部長「暴言ツイート」問題「匿名アカウント」の誹謗中傷をやめさせるには?
2015年11月29日 10時24分

新潟日報社は11月27日、同社社員で上越支社元報道部長の坂本秀樹氏がツイッター上で、新潟県弁護士会の高島章弁護士を中傷したなどとして、坂本氏を26日付で懲戒休職処分にしたことを発表した。

元報道部長は11月20日、高島弁護士のツイッターに「壇宿六(闇のキャンディーズ)@sadmaz6」という匿名のアカウントから「はよ、弁護士の仕事やめろ。プロのハゲとして生きろ。」などと中傷する内容を書き込んでいた。

高島弁護士は自身のツイッターで、「壇宿六」を特定するまでの経緯をつづっている。

それによると、「壇宿六は坂本氏ではないか」との情報をツイッター上で得た高島弁護士が同社に電話して元報道部長の電話番号を聞き出し、「揺動の目的で」番号の一部をツイート。すると30分もたたないうちに、高島弁護士の携帯に元報道部長から連絡があり、「自分が新潟日報上越支社の坂本であり@sadmaz6であることを認めて謝罪」したという。

今回は、高島弁護士が自分を中傷する「匿名アカウント」を特定したのがきっかけで、処分に至ったといえる。もし、匿名アカウントでの誹謗中傷を受けた場合、一般的にはどのように対処すればいいのか。清水陽平弁護士に聞いた。

新潟日報社は11月27日、同社社員で上越支社元報道部長の坂本秀樹氏がツイッター上で、新潟県弁護士会の高島章弁護士を中傷したなどとして、坂本氏を26日付で懲戒休職処分にしたことを発表した。

元報道部長は11月20日、高島弁護士のツイッターに「壇宿六(闇のキャンディーズ)@sadmaz6」という匿名のアカウントから「はよ、弁護士の仕事やめろ。プロのハゲとして生きろ。」などと中傷する内容を書き込んでいた。

高島弁護士は自身のツイッターで、「壇宿六」を特定するまでの経緯をつづっている。

それによると、「壇宿六は坂本氏ではないか」との情報をツイッター上で得た高島弁護士が同社に電話して元報道部長の電話番号を聞き出し、「揺動の目的で」番号の一部をツイート。すると30分もたたないうちに、高島弁護士の携帯に元報道部長から連絡があり、「自分が新潟日報上越支社の坂本であり@sadmaz6であることを認めて謝罪」したという。

今回は、高島弁護士が自分を中傷する「匿名アカウント」を特定したのがきっかけで、処分に至ったといえる。もし、匿名アカウントでの誹謗中傷を受けた場合、一般的にはどのように対処すればいいのか。清水陽平弁護士に聞いた。

●「自分が特定されることはない」という安心感

「匿名アカウントで誹謗中傷を受けた場合、やめさせる方法として、一般的には誹謗中傷をしている人物を『特定』するのが一番です。

誹謗中傷をしている人は、匿名アカウントで、意図的に攻撃的なことを書き込んでいるのが通常です。その背景には、ネットの匿名性があり、『自分が特定されることはない』という安心感があることが少なからず影響しています」

清水弁護士はこのように説明する。

「とはいえ、これまでも同種の事件で、当事者が特定されたという報道はたびたびされています。ネットの匿名性が完全ではないと周知されてきているでしょう。

しかし、未だ多くの誹謗中傷がされているのは、『自分だけは大丈夫』と思ってしまう人がいることに起因していると思います。この思い込みは間違いだと認識させることが、誹謗中傷をやめさせる一番よい方法だと考えています」

●相手を特定するには2つのステップが必要

誹謗中傷をしてくる相手を特定するには、どうすればいいのだろう。

「今回、高島弁護士がとった方法は、鋭い勘と行動力に基づくとてもアグレッシブな方法です。一歩間違うと名誉毀損にもなりかねない方法なので、一般化はできないですが、やはり相手を特定できたことが、事態が動いた一番大きな要因と思われます。

一般的な特定方法としては、発信者情報開示請求という手続を用いることが必要になります。これには通常、以下のような2つのステップが必要です。

(1)誹謗中傷を受けていた媒体(今回の事件で言えばツイッター)に対して、発信者情報開示請求という手続きをとり、IPアドレス等のアクセスログを開示してもらう。

(2)IPアドレスから判明する経由プロバイダ(OCN、NTTドコモなど)に対して、契約者情報の開示をしてもらう」

これらの手続きは、一般人でもできるのか。

「いずれの手続きも、通常は裁判手続が必要です。どんなに短くても半年程度はかかってしまうことが多いです。

ただし、開示請求の途中で、書込みをしている人物に対して開示して良いかどうかの意見照会がされるため、その照会の時点で誹謗中傷をやめる人が実際には多いです。

なお、過去にされた誹謗中傷がインターネット上に残っているというケースも、たびたび相談を受けます。その場合は、通常は特定が難しいため、その書込み自体を削除するという対応をとることになります」

●「送信ボタンを押す前に考えて」

「今回の件はたまたま迅速な解決ができたわけですが、通常、インターネット上での誹謗中傷の被害は長く続きます。誹謗中傷をする人は匿名性に隠れて気軽に書いているのでしょうが、被害を受けた側は本当に辛い思いをしています。

慰謝料額の低さなどを見る限り、裁判所も被害を軽く考えているとしか思えませんが、多くの方が精神を病み、人間不信に陥っています。誹謗中傷を受けたことでの影響は、実際は極めて大きいというのが、日々の相談から受ける実感です。

自分が同じような被害にさらされたらどう感じるのかということを、送信ボタンを押す前に一度考えてほしいと思います」

(弁護士ドットコムニュース)

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