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学校で日焼け止めは「禁止」の理不尽ルール…成績下げられたり、無理やりこすられ肌荒れしたという声も
2025年01月15日 10時43分
#ブラック校則 #日焼け止め禁止 #子どもの権利条約 #人権侵害

紫外線から肌を守るため、日常的に日焼け止めを塗る人も多いと思います。近年では、環境破壊を原因に、人体に有害な紫外線が増えており、環境省でも「紫外線健康保険マニュアル」を作成して、紫外線から身を守る方法について呼びかけています。

その中で、「衣類などで覆うことのできないところには、大人は勿論のこと、子供も上手に日焼け止めを使うのが効果的です」と、日焼け止めの利用を勧めています。

ところが、学校によっては、いまだに「日焼け止め禁止」というルールを設けているところがあります。SNSでは、「理不尽すぎる」と生徒や保護者たちから怒りの声が上がっています。

たとえば、「修学旅行に日焼け止めを持って行ったら荷物検査で引っ掛かり、夜中まで先生に説教された」「日焼け止めを塗っていたら先生に見つかり、成績を下げられた」といった声が寄せられています。

また、「日焼け止めを塗っていったら、『メイクしている』と先生に怒鳴られ、無理やりメイク落としシートでこすられて、肌荒れしてしまいました」という声もあります。

メイク禁止は一般的ですが、日焼け止めまで禁止する学校のルールや、無理やりメイク落としシートでこするような教師に問題はないのでしょうか。松本典子弁護士に聞きました。

紫外線から肌を守るため、日常的に日焼け止めを塗る人も多いと思います。近年では、環境破壊を原因に、人体に有害な紫外線が増えており、環境省でも「紫外線健康保険マニュアル」を作成して、紫外線から身を守る方法について呼びかけています。

その中で、「衣類などで覆うことのできないところには、大人は勿論のこと、子供も上手に日焼け止めを使うのが効果的です」と、日焼け止めの利用を勧めています。

ところが、学校によっては、いまだに「日焼け止め禁止」というルールを設けているところがあります。SNSでは、「理不尽すぎる」と生徒や保護者たちから怒りの声が上がっています。

たとえば、「修学旅行に日焼け止めを持って行ったら荷物検査で引っ掛かり、夜中まで先生に説教された」「日焼け止めを塗っていたら先生に見つかり、成績を下げられた」といった声が寄せられています。

また、「日焼け止めを塗っていったら、『メイクしている』と先生に怒鳴られ、無理やりメイク落としシートでこすられて、肌荒れしてしまいました」という声もあります。

メイク禁止は一般的ですが、日焼け止めまで禁止する学校のルールや、無理やりメイク落としシートでこするような教師に問題はないのでしょうか。松本典子弁護士に聞きました。

●「ブラック校則」は「子どもの権利」侵害の怖れ

——「日焼け止め禁止」は、「ブラック校則」と思われますが、法的な問題はないのでしょうか。

いわゆる「ブラック校則」には定まった定義があるわけではありませんが、「教育目的を達成するために必要かつ合理的範囲」かつ「社会通念上合理的と認められる範囲」を超えた、学校独自のルールは、「ブラック校則」といえると考えられます。

「ブラック校則」は、子どもの人権侵害につながる可能性、個人の尊厳を傷つけるおそれ、セクシャルハラスメント等にあたる可能性、学校への不信感、生徒間の序列や差別を生み出す等の問題をはらんでいます。

このような「ブラック校則」は、国連で採択され日本も批准している「子どもの権利条約」の4原則である、(1)生命、生存及び発達に対する権利、(2)子どもの最善の利益、(3)子どもの意見の尊重、(4)差別の禁止に反し、子どもの権利を侵害するおそれがあります。

●無理やり落とした教師は暴行罪に問える?

——もしも無理やりメイク落としシートでこすられて、肌荒れしてしまった場合、教師は暴行罪に問われないのでしょうか。

暴行罪は、人の身体に対する有形力の行使があったときに成立しますが、教師の行為が、校則を守らせるための正当な行為として、違法ではないといえるかが問題になります。

判例では、校則について学校の裁量を幅広く認めるものが多いですが、例えば丸刈りの校則を憲法違反ではないと判断した判例も、憲法違反にならない理由として、“強制的に髪の毛をカットする規定がないこと”に言及しています。

強制的に校則を守らせるための行為は、正当な行為とは評価されず、暴行罪に問われる可能性があると考えられます。

●「ブラック校則」でつらかったら…

——もしも理不尽な「ブラック校則」でつらい思いをしている場合、どのような解決方法がありますか。

同じような悩みを持つ生徒や、その保護者と連携して、学校に対して申し入れをすることや、学校のある地域の教育委員会や、市区町村の教育相談窓口に相談することも考えられます。

また、弁護士に相談して、学校や教育委員会に対して、法律の専門家の観点から申し入れをすることも考えられます。

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