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なぜ「賭け麻雀は違法」なのに「賞金総額1000万円」の麻雀大会はOKなのか?
2014年05月28日 14時53分

麻雀日本一を決める「全国麻雀選手権」(主催:シグナルトーク)が4月から開かれている。賞金総額1000万円。プロ・アマ問わず、誰でもインターネット上で無料で予選に参加できるのが魅力で、昨年の第1回大会には、4万6000人以上が参戦した。今回もすでに2万人以上が予選を戦っており、オンライン麻雀人口の多さを物語っている。

麻雀といえば、4人で卓を囲み、役をそろえて点数を競う娯楽だが、賭け事の代名詞といっても過言ではない。仲間うちで、数千円~数万円を賭けて遊んでいる人もいるかもしれない。だが、日本では公営ギャンブル以外の賭け事は法律で規制されている。

ときどき摘発のニュースが流れたりするが、どういう場合に違法とされているのだろうか。また、高額賞金の麻雀大会も賭博性があるように思えるが、なぜ許されているのだろうか。賭博法制や風営法にくわしい山脇康嗣弁護士に聞いた。

麻雀日本一を決める「全国麻雀選手権」(主催:シグナルトーク)が4月から開かれている。賞金総額1000万円。プロ・アマ問わず、誰でもインターネット上で無料で予選に参加できるのが魅力で、昨年の第1回大会には、4万6000人以上が参戦した。今回もすでに2万人以上が予選を戦っており、オンライン麻雀人口の多さを物語っている。

麻雀といえば、4人で卓を囲み、役をそろえて点数を競う娯楽だが、賭け事の代名詞といっても過言ではない。仲間うちで、数千円~数万円を賭けて遊んでいる人もいるかもしれない。だが、日本では公営ギャンブル以外の賭け事は法律で規制されている。

ときどき摘発のニュースが流れたりするが、どういう場合に違法とされているのだろうか。また、高額賞金の麻雀大会も賭博性があるように思えるが、なぜ許されているのだろうか。賭博法制や風営法にくわしい山脇康嗣弁護士に聞いた。

●10円でもお金を賭けたら「違法」

「『偶然の勝敗』に関して財物を賭け、その得喪を争った場合、刑法の賭博罪が成立します。ただし、『一時の娯楽に供する物』を賭けたにとどまるときを除きます」

このように山脇弁護士は切り出した。なんだか難しい言葉が並んだが、簡単にいえば、「偶然の勝敗」にお金を賭けるギャンブルは「賭博罪」になるということだろう。麻雀はどうなのか。

「まず麻雀は、技量が勝敗の結果に影響を及ぼすものの、偶然の事情によっても勝敗が左右されますね。ですから、『偶然の勝敗』にあたります。

また『財物』とは、広く財産上の利益を指します。『財物の得喪を争う』とは、勝者が財産を得て、敗者はこれを失うことを意味します。当事者の一方が財物を失うことがない場合は、これにあたりません」

では、「一時の娯楽に供する物」というのは、何のことだろうか。

「判例は、『即時娯楽のために費消する寡少のもの』としています。ちょっと難しい表現ですが、これにあたるかどうかは、裁判所が個々の事案に応じて認定します。その際には、当人の社会的地位・職業や、行為の回数、賭けた財物の種類・数量・価額などを総合的に判断します」

たとえば、金銭でも10円なんかは「寡少のもの」ではないだろうか。

「いいえ。金銭そのものは、額の多少にかかわらず、『一時の娯楽に供する物』とは認定されません。お金の場合は、少額だから大丈夫、ということにはならないのです。

ですから、参加者が金銭そのものを賭ける麻雀は、どれだけ少額であっても賭博罪が成立します。また、麻雀店が、来店者の勝敗の結果に応じて賞品を提供することは、いかなる名目であっても、風営法により禁止されています」

●高額賞金の「麻雀大会」は問題ないのか?

それでは、賞金の出る麻雀大会と賭け麻雀は、何が違うのだろうか。

「高額賞金が出る麻雀大会では、次のような工夫をしています。

(1)大会参加者から参加費等のお金をとらず、スポンサー等が賞金の原資を出すことによって、参加者が『財物の得喪を争う』という形はとらない。このため、賭博罪が成立しない。

(2)大会を反復継続的には行わず、麻雀店など風営法が適用される業者ではない者を主催者とすることによって、風営法の規制をクリアしている。

(3)客を誘いこむ手段として、取引に付随して景品を提供する場合は、景品表示法で、景品の限度額が設定されているが、大会の参加資格や申込方法をオープンにすることなどによって、限度額規制をクリアする

このような工夫をすることで、法的な規制に引っかからないようにしていると考えられます」

高額賞金の麻雀大会に、そんな法律上の工夫があったとは・・・。個人同士のゲームでは、たとえ10円を賭けても違法になってしまう。射幸心のうずきは誰にもあるだろうが、適法な麻雀大会に出ることで落ち着かせるのも良さそうだ。

(弁護士ドットコムニュース)

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