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神奈川県警の元警察官に執行猶予判決 立場を悪用し知人口座から700万円引き出し
2025年02月21日 10時45分

神奈川県警の元警察官が、偽造書類を郵便局に提出して知人の口座から現金700万円を引き出したとして、私文書偽造罪、同行使罪、詐欺罪に問われた刑事裁判で、横浜地裁は2月21日、懲役3年・執行猶予5年(求刑:懲役3年6月)の判決を言い渡した。

神奈川県警の元警察官が、偽造書類を郵便局に提出して知人の口座から現金700万円を引き出したとして、私文書偽造罪、同行使罪、詐欺罪に問われた刑事裁判で、横浜地裁は2月21日、懲役3年・執行猶予5年(求刑:懲役3年6月)の判決を言い渡した。

●700万円全額を弁済し示談が成立していることなどを考慮

判決などによると、元警察官の被告人は、在職中(現在は懲戒免職)の2024年5月、警察官の職務を通じて知り合い、世話をしていた70代の知人から郵便貯金の通帳を預かったうえ、偽造した委任状等を郵便局に提出し、男性の口座から現金700万円を引き出したとされる。

横浜地裁の菅野裕希裁判官は、判決で「警察官として被害者や郵便局員の信頼を得ていたことを利用している」「700万円という金額の大きさ」から、悪質な犯行と指摘。「ギャンブル依存について(犯行前に)周囲に相談することもなかった」「婚姻費用を節約してもいない」点にも言及した。

一方、700万円全額を弁済し、示談が成立し、被害者から許しも得ていることは、財産犯においては相当程度重視すべきと述べた。さらに、(公判でも証言した)被告人の母親が監督を誓っていることや、ギャンブル依存についても保釈後通院を開始し、向き合っていること、前科もないことなどの事情を踏まえ、執行猶予付きの判決を下した。

懲役3年、執行猶予5年という重さについては、執行猶予が付けられる範囲では限界まで重い判決である。この点について、菅野裁判官は、今回の犯行の悪質性などから、執行猶予を付けるとしても、「重さを明確に」するべくこのような判決を下したという。

●「迷惑をかけ、信頼を損なった」

これまでに開かれた公判で、公私ともうまくいかなかった時期にギャンブル依存となり、返済期日に追われていた状況を語っていた被告人。

「絶対バレるとわかっている」にもかかわらず、このままでは借金で首が回らず死ぬしかないと精神的に追い詰められ、引き出しを止めることができなかったという。

被害者だけでなく、郵便局長や局員、現金の引き出しに際して郵便局に同行した同僚の警察官、母親や家族など、さまざまな人に迷惑をかけ、地域の住民の信頼を損なったことに対する謝罪の言葉もあった。

警察官を懲戒免職となったあと就職活動をしたが、事件のことを知っている人が多く厳しかったという。それでも事情を知りつつ拾ってくれるところがあって、今後二度とこのような事件は起こさず、ギャンブルは二度としないと誓い、「社会の役に立つよう更生します」と語っていた。

【訂正 2月21日11時40分】 一部表現を訂正いたしました。

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