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「美人銭湯絵師」勝海麻衣さんにパクリ疑惑、著作権侵害にあたるか?
2019年04月09日 09時50分

銭湯絵師見習いでモデルの勝海麻衣さんにパクリ疑惑が浮上している。

きっかけは、大正製薬の炭酸飲料「RAIZIN」のイベント(3月24日)だ。勝海さんはライブペインティングで、虎の絵を描いた。ところが、この絵が、イラストレーターの猫将軍さんが2012年に描いた作品に酷似していると指摘されたのだ。

勝海さんは「お騒がせをし、ご迷惑をかけたことを心よりお詫び申し上げます」として謝罪。ツイッターの「RAIZIN」公式アカウントで、問題となった絵をリツイート掲載していた大正製薬も「リツイート掲載すべきではないとの判断に至った」と削除した。

ネット上では、さらに厳しい追及が続いて、虎の絵以外にも疑惑が広がっている。きっかけとなった虎の絵は、素人目にはよく似ているような気がするが、法的には盗作になるのだろうか。著作権にくわしい齋藤理央弁護士に聞いた。

銭湯絵師見習いでモデルの勝海麻衣さんにパクリ疑惑が浮上している。

きっかけは、大正製薬の炭酸飲料「RAIZIN」のイベント(3月24日)だ。勝海さんはライブペインティングで、虎の絵を描いた。ところが、この絵が、イラストレーターの猫将軍さんが2012年に描いた作品に酷似していると指摘されたのだ。

勝海さんは「お騒がせをし、ご迷惑をかけたことを心よりお詫び申し上げます」として謝罪。ツイッターの「RAIZIN」公式アカウントで、問題となった絵をリツイート掲載していた大正製薬も「リツイート掲載すべきではないとの判断に至った」と削除した。

ネット上では、さらに厳しい追及が続いて、虎の絵以外にも疑惑が広がっている。きっかけとなった虎の絵は、素人目にはよく似ているような気がするが、法的には盗作になるのだろうか。著作権にくわしい齋藤理央弁護士に聞いた。

●ポイントは「似ているか」「真似しているか」

「盗作かどうか、つまり、著作権侵害にあたるかどうかは、主に2つのポイントから判定されます。1つ目は、『同じ(似ている)絵かどうか』(同一性・類似性)、2つ目は『真似をしているかどうか』(依拠性)です。著作権侵害は、この2つの条件を満たす必要があります。

たとえば、よく似た絵だったとしても、偶然似てしまっただけで真似をしていない場合は、著作権侵害になりません。また、真似をして描いたとしても、まったく似ていない絵になっていれば、これも著作権侵害にならないのです。

この2つのポイントは、完全に切り離せるものではなく、お互いに関連しています」

●はっきりとは言えないが・・・

今回のケース(虎の絵)は、著作権侵害にあたるのだろうか。

「まず、1つ目の『似ているか』という点でいうと、『似ている』ということになるかと思います。かなり特徴的な迫力のあるポーズの対になった虎が、2対ともほぼ同様の態勢で描かれており、そこから伝わる迫力にも類似性があります。そうすると、あとは2つ目、つまり、『真似をしたのか』または『偶然似てしまったのか』という問題になると思います。

ここは、訴訟などで、お互いに資料を出して判定しないと、外部からは何とも言えない部分です。ライブペインティングの際に手元に下絵があったという情報もありますが、猫将軍さんの絵だったのか、勝海さんが自分で用意した下絵だったのか、はっきりしたことは外部からはわかりません。

ただ、基本的に、特徴的な態勢の虎が単体ではなく複数体において似ているとなると、一定程度、真似をしたのではないか、ということが推測されてしまいます。ここが、似ていることと真似をしたことが切り離せない部分です。

この一致が偶然というのであれば、ライブペインティングの際に参照されていた下絵が自ら用意した下絵だったことや、下絵を作る際の作品構想など、絵のオリジナリティを勝海さんのほうで主張していくことも必要になるでしょう」

●企業としても真相を究明を

大正製薬のコーポレートコミュニケーション部は、弁護士ドットコムの取材に対して、「(勝海さんとは)もともとRAIZINのアンバサダーとしておつきあいがあり、その縁があり、今回の企画にも登壇していただきました」と回答した。   齋藤弁護士は次のように話す。

「もし、今回のケースが著作権侵害ということになっても、複数の企業が関わる商業プロモーションの場で起こった事件ですので、すべてをクリエイターの責任とすべき事案かは、慎重な検討が必要と思われます。

著作権侵害はコンプライアンスの緩みが出やすい場面の1つですので、イベントに関係した各企業としても真相を究明して、自社に責任がなかったのかきちんと見直すことは利益になると思います」

美人の銭湯絵師見習いとして、彗星のようにあらわれた勝海さん。相次ぐパクリ疑惑について、そろそろ改めて説明する時期がきているかもしれない。

(弁護士ドットコムニュース)

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