2732.jpg
ちりめんじゃこから「モンスター」登場で激怒、店に返品要求…断ることは可能?
2017年02月21日 09時41分

「ちりめんじゃこ」には、加工の際に、原材料となるイワシ類の他にも、小さなエビやタコなどが混ざっていることがある。「チリメンモンスター」などとも呼ばれ、一部で愛好する人もいるが、こうした「チリメンモンスター」が商品に混ざっていることを理由に返品要求する客がいた事に困惑する魚屋のツイートが話題となった。

ツイートによると、魚屋で販売していたちりめんじゃこには、「※本製品で使用しているいわしの稚魚は、えび、かに、いか、たこ、さばが混ざる漁法で採取しています」との注意書きがあった。それなのに、「こんなの初めて」と怒り、返品を要求してきた客がいたのだという。

このツイートには、「はいってたらむしろラッキーだと思うのに」「こういうのが美味しいのに…」と、客の反応を残念がる声があがっていた。気にせず食べてしまう人もいるようだが、店側は返品を断ることはできないのか前島申長弁護士に聞いた。

「ちりめんじゃこ」には、加工の際に、原材料となるイワシ類の他にも、小さなエビやタコなどが混ざっていることがある。「チリメンモンスター」などとも呼ばれ、一部で愛好する人もいるが、こうした「チリメンモンスター」が商品に混ざっていることを理由に返品要求する客がいた事に困惑する魚屋のツイートが話題となった。

ツイートによると、魚屋で販売していたちりめんじゃこには、「※本製品で使用しているいわしの稚魚は、えび、かに、いか、たこ、さばが混ざる漁法で採取しています」との注意書きがあった。それなのに、「こんなの初めて」と怒り、返品を要求してきた客がいたのだという。

このツイートには、「はいってたらむしろラッキーだと思うのに」「こういうのが美味しいのに…」と、客の反応を残念がる声があがっていた。気にせず食べてしまう人もいるようだが、店側は返品を断ることはできないのか前島申長弁護士に聞いた。

●「いわし類以外が入っているとわかっていれば買わなかった」という主張は通るのか?

「客側が返品を求める法律構成としては、民法上の錯誤無効と債務不履行解除が考えられます」

前島弁護士はこのように指摘する。それぞれどのような主張なのか。

「錯誤無効は、法律行為の要素に錯誤がある場合に法律行為を無効とするものです。

本件で返品を要求した客は、『この商品には、ちりめんじゃこの原料であるいわし類以外の生物が混入していない』と考えて購入しようとしたと考えられます。

こうした購入の『動機』の部分に錯誤がある場合、判例では相手方にその動機が表示される必要がありますが、一般的に『いわし類以外のえび、いかなどの魚介類が混入していないので購入します』と店側に明示する購入することは考えられないでしょう。

したがって、通常は、客側の錯誤無効の主張は認められないと思われます」

債務不履行解除はどうだろうか。

「債務不履行解除というのは、ざっくりといえば、契約の当事者の一方が、契約にもとづいて果たすべき義務を果たしていないことを理由に、もう一方の当事者が『契約をなかったことにしましょう』という意思表示です。

今回のケースで言えば、売り主には、『異物が全く入っていない商品を売買の目的としているにも関わらず、他の生き物が入っていた。だから、売主の引き渡し義務を履行していない(不完全履行)』との主張をしていると考えられます。

しかし、今回の商品のパッケージには、『えび、かに、いか、たこ、さばなどが混ざる可能性がある』ことを明示しています。また、通常、ちりめんじゃこには、他の小さな生き物が混ざっていることは、一般的には認識されている事柄だと考えられます。

そのため、今回のようなケースで店側に債務不履行があったという主張は認められないと思われます。

以上のことから、通常の取引では、店側が返品に応じる法的義務はないと考えられます」

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る