2967.jpg
花火大会で尿意こらえるも限界突破→そして立ちションへ…隠れて済ませたら問題ない?
2023年07月16日 08時49分

花火大会に行った友人が尿意を我慢できずに河原で「こっそり済ませた」ようだけど問題ないのか——。そんな相談が弁護士ドットコムに寄せられました。

友人は「雑草が生い茂っていて管理されているようには見えない」大きな橋の下付近で、こらえていたものを放出し難を逃れたようです。話を聞いた時は笑って済ませた相談者ですが、本当に「法的にセーフなのか」が気になっているようです。

夏の花火大会は人出が多く、限られた数しかないトイレの順番を待っていては間に合わないこともありそうです。人の目につかないよう「立ちション」することは法的に問題ないのでしょうか。坂口靖弁護士に聞きました。

花火大会に行った友人が尿意を我慢できずに河原で「こっそり済ませた」ようだけど問題ないのか——。そんな相談が弁護士ドットコムに寄せられました。

友人は「雑草が生い茂っていて管理されているようには見えない」大きな橋の下付近で、こらえていたものを放出し難を逃れたようです。話を聞いた時は笑って済ませた相談者ですが、本当に「法的にセーフなのか」が気になっているようです。

夏の花火大会は人出が多く、限られた数しかないトイレの順番を待っていては間に合わないこともありそうです。人の目につかないよう「立ちション」することは法的に問題ないのでしょうか。坂口靖弁護士に聞きました。

●隠れてしたなら「刑罰まで受けることは少ないのでは」

——立ちションは法律違反になるのでしょうか。

軽犯罪法(1条26号、科料または拘留)違反、公然わいせつ罪(刑法174条、6月以下の懲役等)に該当する可能性があります。

——人から見られにくい場所で用を足したようですが、それでもアウトでしょうか。

軽犯罪法1条26号は、「街路または公園その他公衆の集合する場所」(軽犯罪法1条26号)を対象としています。

街路とは、市街地の道路のことを指すものと解されていますので、今回の事案における立ちションをした場所は、「街路」や「公園」には該当しないことは明らかですので、「その他公衆の集合する場所」と評価しうるか否かが問題となります。

過去の裁判例では、「その他公衆の集合する場所」は「性質上多数の人が集合するような場所」を指すとされています。

今回の河原にある「雑草が生い茂っていて管理されているようには見えない大きな橋の下」は、確かに、花火大会時においては、多数の者らが来る場所の近くにあります。

しかし普段は人が集まるような場所ではありませんので、「性質上」多数の者が集合する場所とは評価できないため、軽犯罪法違反で罰せられる可能性は極めて低いものと考えられます。

——「立ちション」が現実に取り締まり対象となる可能性はありますか。

「街路やその他公衆の集合する場所」すなわち街中等で立ちションをした場合には、軽犯罪法違反として処罰を受ける可能性はあります。

実際に、15台ほど停められる街中の駐輪場で立ちションをしたという事例で、同駐輪場は「街路」に該当するとして、軽犯罪法1条26号違反として刑罰を受けた事案が存在しています。

もっとも、軽犯罪法は、極めて軽微な迷惑行為について軽い刑罰を科すという法律であり、真に緊急性がある中で、突発的に目立たず人目に触れないように立ちションをしたような場合には、注意を受けるのみで、実際に刑罰まで受けることは少ないように思われます。

なお、立ちションに乗じて殊更に陰部を他者に見せようとしていると評価されるような場合には、公然わいせつ罪として処罰を受けてしまう可能性もあります。

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る