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メディア業界4団体、役員159人中「女性は3人」だけ…まずは「30%を目指そう」呼びかけ
2021年02月09日 18時47分

森喜朗元首相の女性蔑視発言が連日、話題だ。しかしそれを報じるメディアの業界団体や加盟各社では、役員における女性の割合がゼロ、僅少な状態が続いている。日本民間放送労働組合連合会、日本新聞労働組合連合などの役員らが2月9日、厚労省記者クラブで「メディア各社の役員の女性割合を30%を目指そう」と呼びかけた。

会見には、日本出版労働組合連合会、メディアで働く女性ネットワークも出席。メディア業界の4団体の役員人数は計159名だが、その内、女性役員は3人だけだったことをあげ、女性役員数を増やすよう呼びかけた。民放労連女性協議会副議長の岸田花子さんは「各業界団体と加盟社に対し、業界団体の女性役員比率について、数値目標や特別枠を設け、積極的是正策を講ずることなどを要請した」と話した。

森喜朗元首相の女性蔑視発言が連日、話題だ。しかしそれを報じるメディアの業界団体や加盟各社では、役員における女性の割合がゼロ、僅少な状態が続いている。日本民間放送労働組合連合会、日本新聞労働組合連合などの役員らが2月9日、厚労省記者クラブで「メディア各社の役員の女性割合を30%を目指そう」と呼びかけた。

会見には、日本出版労働組合連合会、メディアで働く女性ネットワークも出席。メディア業界の4団体の役員人数は計159名だが、その内、女性役員は3人だけだったことをあげ、女性役員数を増やすよう呼びかけた。民放労連女性協議会副議長の岸田花子さんは「各業界団体と加盟社に対し、業界団体の女性役員比率について、数値目標や特別枠を設け、積極的是正策を講ずることなどを要請した」と話した。

●「意思決定者の女性登用が不十分」

会見で、岸田さんらはメディアの課題として (1)コンテンツ制作の意思決定者の女性登用が不十分 、(2)意思決定者に女性が少ない、の2点を指摘した。

現状、業界4団体の役員構成をとっても女性が極めて少ないことがわかる。

・日本民間放送連盟(民放連)45名(女性0人)
・日本新聞協会(新聞協会)53人(女性0人)
・日本書籍出版協会(書協)40人(女性2人)
・日本雑誌協会(雑協)21人(女性1人)

女性が少ないとどんな影響があるのか。「多様性のない組織は一般にイノベーションが起こりづらく、不祥事を抑制する力やモラルが低下するなどのリスクもあるとも言われる。人材確保の面でもマイナスです」(岸田さん)。

また、メディアで働く人に多様性が欠けることで、コンテンツにもマイナスの影響は及ぶ可能性があるという。

「在京テレビ局では、制作部門の最高責任者に女性は1人もいません。作り手のアンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)は、コンテンツを通して受け取る側にも波及すると思っています。結果として性的役割分担が根強く残り、男女の賃金差にもつながっているのではないか」(同)

●「女性が引き受けない」のは「社会構造」が原因

出版関連の書協、雑協は、少ないながらも女性役員がいる。出版労連の中央執行委員長、酒井かをりさんは「出版業界は女性の社員比率も多く、女性の雑誌編集長、書籍でも女性の編集長は存在しているが、その上になると少ない」と指摘した。

それはなぜか。メディアに限らず「女性役員が少ないのは、女性が望まないから」という声は根強くある。

この点について、酒井さんは「ロールモデルが少ないからだと思っている。男性も我こそは相応しいと思って就くのではなく、喜びと同時に不安を抱えながらだと思っている。女性も同じではないか」という。「社会構造が変わっていくことで女性も役員になれるし、男性も気負わずに社会で活躍できると思っている」と期待を込めて話した。

●「女性が何かをお願いする立場はやめたい」

2月9日までに、民放連、新聞協会、書協、雑協の各業界団体と加盟者に対し、次の3つの要請を行った。

(1)業界団体の女性役員比率について、数値目標や加盟各社からの女性管理職による特別枠を設け、すみやかに3割以上にすること

(2)ジェンダー・男女共同参画に関する常設委員会を設置し、業界でのジェンダー平等を重要課題の一つにすること

(3)2021年4月までに業界団体と全加盟者が、役員の3割を女性にする目標・計画・実績を国の女性活躍推進企業データーベースで公開し、その後も定期的に更新すること

しかし、新聞労連・中央執行委員長の吉永磨美さんは「要請書という、女性が何かをお願いする立場はやめたいと思っている」と苦渋をにじませて次のように語った。

「要請して何かをやるのではなく、やりましょうという話だと思っている。こういう要請をしなくてもいい状況になって欲しいと思っている。(女性蔑視発言をした)森喜朗元首相だけの問題ではなく、社会全体の意識が下支えとなって、発言が出てくる。これを機に全体で考えなければいけない」

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