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海外サーバの「オンラインカジノ」で初の摘発・・・なぜ決済業者が逮捕されたのか?
2016年03月05日 12時53分

海外のオンラインカジノに賭け金を振り込むための決済サービスを運営し、客に賭博をさせていたとして、さいたま市の会社役員の男性ら2人が2月中旬、常習賭博罪の疑いで千葉県警に逮捕された。無店舗型のオンラインカジノについて、賭博罪が適用されるのは全国初だという。

報道によると、会社役員らは2012年から2015年までのおよそ3年間、海外のオンラインカジノが利用できる決済サービスを運営し、常習的に不特定多数の客に賭博行為をさせていた疑いが持たれている。これまで10億円を超える利益をあげていたとみられる。

バカラなどができるソフトを客のパソコンにインストールさせたうえで、賭け金を指定の口座に振り込ませ、勝敗に応じて現金を払い戻していたという。今回、賭博罪が適用された背景は何だろうか。カジノ問題にくわしい渡邉雅之弁護士に聞いた。

海外のオンラインカジノに賭け金を振り込むための決済サービスを運営し、客に賭博をさせていたとして、さいたま市の会社役員の男性ら2人が2月中旬、常習賭博罪の疑いで千葉県警に逮捕された。無店舗型のオンラインカジノについて、賭博罪が適用されるのは全国初だという。

報道によると、会社役員らは2012年から2015年までのおよそ3年間、海外のオンラインカジノが利用できる決済サービスを運営し、常習的に不特定多数の客に賭博行為をさせていた疑いが持たれている。これまで10億円を超える利益をあげていたとみられる。

バカラなどができるソフトを客のパソコンにインストールさせたうえで、賭け金を指定の口座に振り込ませ、勝敗に応じて現金を払い戻していたという。今回、賭博罪が適用された背景は何だろうか。カジノ問題にくわしい渡邉雅之弁護士に聞いた。

●「実行行為」は国内であると考えるべき

「今回のケースは、無店舗型のオンラインカジノを初めて摘発したものであり、画期的だといえます」

渡邉弁護士はこのように述べる。なぜ、これまで摘発されていなかったのだろうか。

「オンラインカジノ業者は、賭博罪について、賭博開帳者と賭博者が一緒に処罰される『必要的共犯』だという考えを前提としています。

そして、仮に、賭博開帳者が国外犯として処罰されないのであれば、賭博罪は成立せず、無店舗型のオンラインカジノは違法ではないとして、個人を相手に賭博をさせています。

しかし、たとえサーバが海外にあったとしても、客が国内でプレーしている以上、『実行行為』は国内であると考えるべきです。常習賭博罪と賭博開張罪が必要的共犯ではない、とする最高裁判決もあります。

また、過去に、国会に『賭博罪及び富くじ罪に関する質問主意書』 を提出されたことがあります。この中で、無店舗型のオンラインカジノについて、賭博罪と賭博開帳罪が成立するかという質問がされました。

政府からは、『一般論としては、賭博行為の一部が日本国内において行われた場合』について、『賭博罪、賭博開帳罪が成立することもあり得る』という趣旨の答弁を得ています」

●業者は「決済サービスを提供しただけ」と容疑を否認

今回のケースについては、どう考えるべきだろうか。

「報道などによると、摘発された会社役員らは、国内の客と海外オンラインカジノ業者との間で、賭け金の入金と配当の払い出しが行われていたので、『決済サービスは提供したが、賭博はしていない』と容疑を否認しているようです。

警察は、このような決済サービスとオンラインカジノが『実質的に一体』で、国内で賭博行為の一部がおこなわれていたと見て、摘発したのではないかと思います。

なお、このような決済サービスは、銀行または資金移動業者(100万円相当以下)しか許されませんので、銀行法または資金決済法違反にも問われる可能性があります。

実際、決済サービスと海外オンラインカジノは『実質的に一体』であると思います。

私も過去に、海外のオンラインカジノ業者から、資金決済法上の資金移動業者の登録の支援を依頼されたことがありますが、賭博開帳罪・賭博罪の懸念が払しょくできないことから断ったことがあります」

渡邉弁護士はこのように話していた。

(弁護士ドットコムニュース)

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