3376.jpg
中高生カップルの「キス動画」公開が流行・・・「炎上」した際にさらされるリスクも
2015年08月17日 11時42分

中高生を中心に、カップルの動画を投稿するスマホアプリ「MixChannel」が人気だ。月間動画再生数は5億4000万回を超えている。誕生日や交際開始日などを記念して、写真や動画、音楽を組み合わせた動画が多数投稿されており、「キス動画」を公開しているものも少なくない。

このアプリに対して、日経ウーマンオンラインでは、「後悔しても遅い…女子中高生に流行の『キス動画』の取り返しがつかないリスクとは?」と題した記事を掲載していた。記事によると、同じクラスのクラスメイトに見つかって、嫌がらせを受けたケースもあるそうだ。

さらに、動画の多くはツイッターのアカウントが登録されており、実名やプロフィールが分かるものも多いようだ。このため、就職活動の際に発見されたり、将来別の相手と結婚することになった場合に、問題になる可能性があるという。

MixChannelで「キス動画」を公開することには、どんな法的リスクがあるのだろうか。清水陽平弁護士に聞いた。

中高生を中心に、カップルの動画を投稿するスマホアプリ「MixChannel」が人気だ。月間動画再生数は5億4000万回を超えている。誕生日や交際開始日などを記念して、写真や動画、音楽を組み合わせた動画が多数投稿されており、「キス動画」を公開しているものも少なくない。

このアプリに対して、日経ウーマンオンラインでは、「後悔しても遅い…女子中高生に流行の『キス動画』の取り返しがつかないリスクとは?」と題した記事を掲載していた。記事によると、同じクラスのクラスメイトに見つかって、嫌がらせを受けたケースもあるそうだ。

さらに、動画の多くはツイッターのアカウントが登録されており、実名やプロフィールが分かるものも多いようだ。このため、就職活動の際に発見されたり、将来別の相手と結婚することになった場合に、問題になる可能性があるという。

MixChannelで「キス動画」を公開することには、どんな法的リスクがあるのだろうか。清水陽平弁護士に聞いた。

●コピーが容易なため、リスクを排除しきれない

「まず、あり得る法的リスクについて指摘しましょう。キス動画を公開すると、自分だけでなく、キスの相手も誰か分かる状態にあるのではないかと思います。キス動画を公開することについて、キス相手の同意を得ているのならばよいのですが、そうでない場合、キス相手のプライバシーを侵害しているということができます。

プライバシー侵害があれば、損害賠償請求や削除請求を受けるリスクがあります。

もちろん、交際中の2人なので、そこまで大事にはならないだろうと思いますが、このような法的リスクがあることは認識しておくべきです」

ほかには、どのようなことが考えられるのだろうか。

「必ずしも法的リスクというわけではないですが、ネットに公開するということ自体に伴うリスクがあります。

ネットに上げてしまったものは、コピーが容易で、拡散していってしまうというリスクがあります。公開した当時はよいかもしれませんが、その後別れてしまったときに削除したいと思っても、削除しきれるかどうかは分かりません。

また、動画が勝手に保存されて、自分の意に沿わない形で利用されたり、加工されてしまうかもしれません。たとえば、何かの機会に自分がネット上で炎上してしまった場合、動画を貼り付けられたり、動画をキャプチャした画像を掲載されるという可能性もあります。プロフィール情報から個人が特定されてしまえば、誰が炎上したのかが分かる形で晒され続けるリスクがあります。

さらに、就職活動の際に、採用担当者が応募者のSNSをチェックすることも増えてきているようですが、私的な動画等を全世界に晒すようなことをしている人は、採用しても同じようなことを無邪気にしそうだということで、採用を敬遠されるおそれもあります。

このリスクは、動画等のコピーが容易という問題がある以上、元を削除したからといって排除し切れないリスクです。私的なものは私的なものとして扱うべきということを、学生のうちからきちんと知る必要があるでしょうね」

清水弁護士はこのように話していた。

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る