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東京女子医大病院でまた裁判…抗てんかん薬の過剰投与で女性死亡、夫が提訴
2017年03月28日 17時51分

東京女子医大病院を受診していた長濱裕美さん(当時43歳)の死をめぐり、夫の明雄さん(42)ら遺族が3月28日、原因は抗てんかん薬の過剰投与にあるとして、病院や当時の担当医師らに慰謝料など約4300万円を求め、東京地裁に提訴した。

明雄さんによると、裕美さんは脳腫瘍などでの手術歴があり、化学療法のため東京女子医大病院を受診。2014年8月、被告となった担当医師、女性医師と相談の上、抗てんかん薬の処方を受けた。

しかし、処方された薬は、1回の分量が通常の8倍あり、用法も本来は2日に1回のところ毎日飲むよう指示されたという。裕美さんは8月29日に救急搬送され、全身の皮膚の30%以上が剥がれるTEN(中毒性表皮壊死症)を発症。9月9日に亡くなった。

死後行われた、日本医療安全調査機構の調査(通称「モデル事業」)では、裕美さんは抗てんかん薬によって皮膚の壊死を発症したと認定された。明雄さんらは調査結果をもとに病院との話し合いを進めようとしたが、病院側が責任を認めず、提訴に至った。

明雄さんらは、薬が多めに出されることは聞いていたものの、重大な疾患、特に死に至る可能性があることは説明されなかったなどとして、病院側に説明義務違反や注意義務違反があったと主張している。

東京女子医大病院をめぐっては、裕美さんが亡くなったのと同じ2014年の2月、麻酔薬「プロポフォール」が過剰投与され、2歳男児が亡くなる事故が発生。昨年12月、男児の両親が主治医らに計1億5000万円の損害賠償を求め、東京地裁に提訴している。

明雄さんは、「責任の所在があいまいだから、事故を繰り返すのではないか」「もちろん、医師が事故を起こそうとしているわけではない。しかし、何も責任を感じていないところに理不尽さを感じました」などと話していた。

一方、病院側は、「訴状を見ていないので具体的なコメントはできませんが、誠意をもって対応をして参ります」とコメントしている。

(弁護士ドットコムニュース)

東京女子医大病院を受診していた長濱裕美さん(当時43歳)の死をめぐり、夫の明雄さん(42)ら遺族が3月28日、原因は抗てんかん薬の過剰投与にあるとして、病院や当時の担当医師らに慰謝料など約4300万円を求め、東京地裁に提訴した。

明雄さんによると、裕美さんは脳腫瘍などでの手術歴があり、化学療法のため東京女子医大病院を受診。2014年8月、被告となった担当医師、女性医師と相談の上、抗てんかん薬の処方を受けた。

しかし、処方された薬は、1回の分量が通常の8倍あり、用法も本来は2日に1回のところ毎日飲むよう指示されたという。裕美さんは8月29日に救急搬送され、全身の皮膚の30%以上が剥がれるTEN(中毒性表皮壊死症)を発症。9月9日に亡くなった。

死後行われた、日本医療安全調査機構の調査(通称「モデル事業」)では、裕美さんは抗てんかん薬によって皮膚の壊死を発症したと認定された。明雄さんらは調査結果をもとに病院との話し合いを進めようとしたが、病院側が責任を認めず、提訴に至った。

明雄さんらは、薬が多めに出されることは聞いていたものの、重大な疾患、特に死に至る可能性があることは説明されなかったなどとして、病院側に説明義務違反や注意義務違反があったと主張している。

東京女子医大病院をめぐっては、裕美さんが亡くなったのと同じ2014年の2月、麻酔薬「プロポフォール」が過剰投与され、2歳男児が亡くなる事故が発生。昨年12月、男児の両親が主治医らに計1億5000万円の損害賠償を求め、東京地裁に提訴している。

明雄さんは、「責任の所在があいまいだから、事故を繰り返すのではないか」「もちろん、医師が事故を起こそうとしているわけではない。しかし、何も責任を感じていないところに理不尽さを感じました」などと話していた。

一方、病院側は、「訴状を見ていないので具体的なコメントはできませんが、誠意をもって対応をして参ります」とコメントしている。

(弁護士ドットコムニュース)

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