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嵐・大野智さんめぐる虚偽情報、STARTO社がすすめる「法的措置」の中身は?
2025年02月04日 17時38分
#名誉毀損 #嵐 #STARTO ENTERTAINMENT #大野智

人気アイドルグループ「嵐」のリーダー、大野智さんが薬物事件に関与したという虚偽情報がSNSに拡散されたことをめぐり、法的措置をすすめている「STARTO ENTERTAINMENT」は1月31日、公式サイトでその進捗状況を公表した。

STARTO社によると、インターネット上の権利侵害投稿7件についてプロバイダーから情報開示がされて、投稿に使われた通信会社が特定されたという。そして1月28日付で通信会社に対して契約者情報の開示請求をおこなったという。

大野さんをめぐっては、昨年11月28日にX上で、薬物事件に関与したという虚偽情報が投稿されて、STARTO社が11月30日、この投稿の事実を強く否定し、名誉毀損行為として法廷措置をとることを明らかにしていた。

発端となった投稿主は11月30日、X上で「タレコミを基として公開調査を行ったことでお騒がせてしまい」「ご迷惑をおかけしてしまいましたこと、深くお詫び申し上げます」として、元の投稿を削除した。

STARTO社は、今後、具体的にどのような「法的措置」をする可能性があるのか。メディア法務にくわしい河西邦剛弁護士に聞いた。

人気アイドルグループ「嵐」のリーダー、大野智さんが薬物事件に関与したという虚偽情報がSNSに拡散されたことをめぐり、法的措置をすすめている「STARTO ENTERTAINMENT」は1月31日、公式サイトでその進捗状況を公表した。

STARTO社によると、インターネット上の権利侵害投稿7件についてプロバイダーから情報開示がされて、投稿に使われた通信会社が特定されたという。そして1月28日付で通信会社に対して契約者情報の開示請求をおこなったという。

大野さんをめぐっては、昨年11月28日にX上で、薬物事件に関与したという虚偽情報が投稿されて、STARTO社が11月30日、この投稿の事実を強く否定し、名誉毀損行為として法廷措置をとることを明らかにしていた。

発端となった投稿主は11月30日、X上で「タレコミを基として公開調査を行ったことでお騒がせてしまい」「ご迷惑をおかけしてしまいましたこと、深くお詫び申し上げます」として、元の投稿を削除した。

STARTO社は、今後、具体的にどのような「法的措置」をする可能性があるのか。メディア法務にくわしい河西邦剛弁護士に聞いた。

●刑事上の責任追及

——刑事上の責任追及について具体的に教えてください。

このあと投稿者が特定されれば、その人を名誉毀損罪として刑事告訴することが考えられます。

名誉毀損罪を規定する刑法230条は「公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する」としています。

今回のポイントは、投稿者が「どういう事実を摘示したか」ということです。

STARTO社側は、投稿者がSNS上で「大野さんが大麻取締法違反容疑で逮捕されるような犯罪行為をした」という事実を示して、大野氏の社会的評価を低下させ名誉を毀損したと主張すると考えられます。

一方、投稿者側(弁護人含む)からは、摘示事実の解釈について確実に反論があると思われます。

つまり、「逮捕の話が上がっている」「本当かどうかわからないけど一旦調べる」「何回も言うけどまだ未確定情報だからね」と断定的な表現を用いておらず、いわば噂が存在したと指摘したに過ぎないという反論です。

実際、投稿者が謝罪と訂正をした11月30日の投稿内容からも「調べる」「公開調査を行った」ことについて「お詫び」しており、投稿者の謝罪投稿の内容からも、断定的な表現を使用していないというニュアンスが読み取れます。

さらに投稿者からは「断定的な表現は用いていないし、実際にそのような疑惑があったのは事実なのだから、投稿内容は真実である」という反論が考えられます(なお、そのような疑惑の存在については確認できていません)。

しかし、この反論は、裁判において採用されにくいでしょう。刑事の名誉毀損が問題になった最高裁判例において、「事実の証明の対象となるのは、風評そのものが存在することではなく、その風評の内容たる事実の真否である」としています。

そうすると、今回のケースでも摘示事実は風評の存在ではなく、風評の内容である「大野さんが大麻取締法違反容疑で逮捕されるような犯罪行為をしたこと」だとされ、もし仮に大野さんについてそういう噂がSNS上に存在していたとしても、投稿者側の反論としては成立しないと判断される可能性が高いと思われます。

ただし、実際にSTARTO社側が刑事告訴に踏み切るかは不明です。

●民事上の責任追及

——民事上の責任追及についてはどうでしょうか?

刑事告訴までしなくても、民事で損害賠償を求める可能性はありえます。その場合、投稿者からは「仮に名誉毀損になるとしても、投稿者はすでに訂正しており、大野氏の名誉は回復しているのであるから、社会的評価は回復しており損害は発生しない」という反論がありえます。

ここについては、過去の裁判例の傾向からは、そもそもの投稿内容がどういう内容であったか、訂正のスピード、訂正の内容にも関わってきます。

投稿から2日間という比較的早期に謝罪と訂正をしており、その内容は比較的真摯なものであるように見えます。よって、損害額が下がる事実として評価される可能性は高いとは思われますが、損害がゼロになるとまでは言えないでしょう。

このように、仮に裁判所が名誉毀損に基づく損害賠償を認めたとしても、投稿者が断定的表現を用いていないこと、比較的早期に謝罪および訂正をしていることからも慰謝料が100万円を超える可能性は低いと思われます。

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