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大人気ゲーム「刀剣乱舞」に「トレパク」疑惑が続々浮上――どんな問題があるのか?
2015年06月23日 11時10分

名刀を擬人化した「刀剣男子」たちを育成するブラウザゲーム「刀剣乱舞ーONLINEー」が女性を中心に大人気になっているが、意外なところで「パクリ」疑惑が浮上して、問題になっている。

話題になっているのは、「トレースパクリ」(トレパク)と呼ばれる手法。ゲーム中に登場する弁当や団子などの「イラスト」が、ネット上にある別の画像からトレースして描かれたものではないかと疑われ、ネット上で検証が行われているのだ。

また、ゲーム内に出てくるアイテムを再現した「グッズ」についても、トレパク疑惑が浮上している。たとえば、ある水墨画家の作品が、グッズの絵馬にトレパクされているように見える。弁護士ドットコムニュースが水墨画家に確認したところ、自身の作品が無許可でトレースされたものであることが分かった。

一連の騒動について、公式ツイッタ―アカウント「『刀剣乱舞』開発・運営」は、「一部のお客様にはご不安を感じさせてしまいましたこと、誠に申し訳ありませんでした」と謝罪。事実関係を確認し、改めて報告するとしている。

今回問題となっている「トレパク」という手法には、どのような法的問題があるのだろうか。著作権の問題にくわしい齋藤理央弁護士に聞いた。

名刀を擬人化した「刀剣男子」たちを育成するブラウザゲーム「刀剣乱舞ーONLINEー」が女性を中心に大人気になっているが、意外なところで「パクリ」疑惑が浮上して、問題になっている。

話題になっているのは、「トレースパクリ」(トレパク)と呼ばれる手法。ゲーム中に登場する弁当や団子などの「イラスト」が、ネット上にある別の画像からトレースして描かれたものではないかと疑われ、ネット上で検証が行われているのだ。

また、ゲーム内に出てくるアイテムを再現した「グッズ」についても、トレパク疑惑が浮上している。たとえば、ある水墨画家の作品が、グッズの絵馬にトレパクされているように見える。弁護士ドットコムニュースが水墨画家に確認したところ、自身の作品が無許可でトレースされたものであることが分かった。

一連の騒動について、公式ツイッタ―アカウント「『刀剣乱舞』開発・運営」は、「一部のお客様にはご不安を感じさせてしまいましたこと、誠に申し訳ありませんでした」と謝罪。事実関係を確認し、改めて報告するとしている。

今回問題となっている「トレパク」という手法には、どのような法的問題があるのだろうか。著作権の問題にくわしい齋藤理央弁護士に聞いた。

●元の素材が「著作物」かどうか

「トレパクは、トレースパクリの略で、素材をそのままトレースするのではなく、たとえば問題の絵馬のように白黒の水墨画に青い色を着色するなど、若干の変更を加える場合が多いようです。

トレパクが著作権法違反になるかどうかは、素材とトレパクの仕方によって様々です。素材の性質とトレパクの態様について、順を追って考察していく必要があります」

齋藤弁護士はこのように述べる。

「まず、トレースされた元の素材が、そもそも『著作物』に当たるかどうかを検討しなければなりません。

たとえば、今回のケースで問題となっている水墨画は、『美術の著作物』(著作権法10条1項4号)に該当することに異論はないと思われます。

一方、弁当(箱)や団子の場合は、意匠法の保護を受けるもので、特別芸術性が高くない限り、『著作物』に該当しません。もっとも、弁当などが著作物に該当しなくても、トレパクの場合、素材とされるデータが弁当等を撮影した写真ということで、『写真の著作物』(同10条1項8号)に該当する可能性があります。

トレパクされた元の素材が著作物に該当する場合、次に、トレパクのやり方について、検討を加える必要があります。

具体的には、素材に対して行われたトレパクが、元の素材の『複製』(同21条)や『翻案(ほんあん)』(同27条)に当たるのか、検討する必要があります。

『翻案』というのは、簡単にいえば、元の著作物の本質を変えず、修正、増減、変更を加えるなどして作り替えることをいいます。『複製』も『翻案』も、著作権者に認められた権利です。他人が勝手にすることはできません」

●元の素材の「表現上の特徴」が残っているかがポイント

複製や翻案にあたるかという点は、どうやって判断すればいいのか。

「複製や翻案にあたるかどうかという点については、複数の判例があります。基本的に、トレパクによって作られた作品に、元の素材の『表現上の特徴』が残っているかどうかがポイントになります。

たとえば、問題の絵馬は、富士山を幽玄なタッチで描いた水墨画の『表現上の本質的特徴』を感得できると判断された場合、著作権侵害となるでしょう。色を付けたり、一部をトリミングしているので、複製権侵害ではなく、翻案権侵害となるでしょう」

齋藤弁護士はこのように述べていた。

(弁護士ドットコムニュース)

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