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岡口裁判官に44万円賠償命令 「遺族洗脳」ツイートめぐり
2023年01月27日 13時31分

仙台高裁の岡口基一裁判官(職務停止中)のネット投稿により、名誉を毀損されたなどとして、女子高生殺害事件の遺族が165万円の損害賠償を求めていた裁判の判決で、東京地裁(清野正彦裁判長)は1月27日、岡口裁判官に44万円の賠償を命じた。

仙台高裁の岡口基一裁判官(職務停止中)のネット投稿により、名誉を毀損されたなどとして、女子高生殺害事件の遺族が165万円の損害賠償を求めていた裁判の判決で、東京地裁(清野正彦裁判長)は1月27日、岡口裁判官に44万円の賠償を命じた。

●経緯は

岡口氏は2017年、原告の岩瀬正史さん、裕見子さん夫妻の次女・加奈さん(当時17)が殺害された事件について、ツイッターに判決文のURLを貼ったうえで、「首を絞められて苦しむ女性の姿に性的興奮を覚える性癖を持った男」「そんな男に無惨にも殺されてしまった17歳の女性」と投稿した。

遺族の二人は岡口氏が当時所属していた東京高裁に抗議。東京高裁から岡口氏が反省していることや、この件について二度と投稿しないことなどを説明されたというが、その後も岡口氏は釈明などの投稿を繰り返した。

加奈さんの命日でもある2019年11月12日には、フェイスブックに「リンクを貼った俺を非難するようにと、東京高裁事務局及び毎日新聞に洗脳されてしまい、いまだに、それを続けられています」とも書き込み、遺族側が名誉毀損などと訴えていた。

●判決「内容が相当に悪質」

清野裁判長は2019年のフェイスブックへの書き込みについて、「原告らの名誉を違法に毀損するものであるとともに、事実に反して原告らの人格等を否定する侮辱的表現でもある」として、不法行為を構成するとした。

損害額については、内容が相当に悪質である上、不特定多数の者の目に触れたと推認されること、被害者の命日に投稿されたこと、岡口裁判官が、裁判官として、司法作用や裁判所に関係する文脈の投稿は一般のSNS利用者と一線を画する影響力があったとみられることなどを考慮した上で、精神的慰謝料をそれぞれ20万円(弁護士費用それぞれ2万円)を認めた。

判決を受け、岡口裁判官の代理人は「判決を精査して対応を検討する」とコメントした。

岡口氏は一連の投稿などにより罷免を求めて訴追され、弾劾裁判がおこなわれている。3回目の期日が2月8日に予定されている。

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