4275.jpg
「アダルト閲覧」につけ込む迷惑メール、仮想通貨を要求…パスワードも流出し大慌て
2018年10月16日 08時10分

「おいおい、何だこれは」。東京都世田谷区に住む会社員男性(30代)の不安は膨らんだ。「アダルトサイトを閲覧しているあなたの姿をウェブカメラで撮影した。家族や同僚にばらまかれたくなければ、仮想通貨で金銭を支払え」。10月9日夜、受信ボックスに届いた一通の不審なメールには、こうした趣旨の記載があった。単なる「迷惑メール」として瞬時に消せなかったのは、自分が現在使っているパスワードも付記されていたからだ。

「おいおい、何だこれは」。東京都世田谷区に住む会社員男性(30代)の不安は膨らんだ。「アダルトサイトを閲覧しているあなたの姿をウェブカメラで撮影した。家族や同僚にばらまかれたくなければ、仮想通貨で金銭を支払え」。10月9日夜、受信ボックスに届いた一通の不審なメールには、こうした趣旨の記載があった。単なる「迷惑メール」として瞬時に消せなかったのは、自分が現在使っているパスワードも付記されていたからだ。

●まさか…自分のパスワードを送りつけられる

メールに付記されたパスワードは、男性が複数使っているうちのひとつ。8桁以上の英数字からなるものだ。「不幸中の幸い」とでも言えばいいのか、金融機関(ネットバンク)で使っているものとは異なったが、それでもやはり気持ち悪い。

しかも、男性は「ヘビーユーザーではないが、アダルトサイトを見たことがないと言ったらウソになる」という。職場の同僚に知られてもどうってことはないが、家族に知られるとしたら「ちょっと嫌だな」と男性は考えこんだ。

迷惑メールだとしたら、同様の被害相談がネットに出ているかもしれないーー。そう思った男性がネットで調べると、内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)と独立行政法人「情報処理推進機構」(IPA)が注意を呼びかけていることを知った。

●7月〜9月、相談件数は約300件

IPAによると、2018年7月以降、同様のメールを送りつける手口が広がっているという。相談件数は7月と8月で計30件だったのが、9月には263件にものぼった。文面は英語のものと日本語のものが確認されているが、日本語は不自然で、IPAは「英文を翻訳サイト等の機械翻訳にかけたものと考えられます」と紹介していた。

実際、男性に送られてきたメールの文面には「私が支払いを受けると、すぐにビデオを破壊します」「これは非交渉可能なオファー」など、ぎこちない日本語表現がいくつもみられた。

ただ、パスワードを知られていることに対する心配は消えない。IPAは何らかの原因で外部サービスからデータが漏えいし、それを元に記載されているとみている。ただ、「流出経路とその原因は不明」という。

●IPA「メール無視とパスワード変更を」

IPAは、メールを無視することに加え、記載されたパスワードが現在使用しているものなら変更し、新たなパスワードは「長く」「複雑」にして複数のサービスで使い回さないよう呼びかけている。

男性は「アダルトサイトの閲覧が原因ではないかもしれないけど、何だか気持ち悪いので、今後は不用意に閲覧することをやめます」。IPAによる注意喚起を参考にし、パスワードをすぐに変更。メールも削除した。

(弁護士ドットコムニュース)

●無料で弁護士に相談する

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る